増補新版 パナソニックウェイ

増補新版 パナソニックウェイ

SOLDOUT

なぜ三洋電機を買うのか、なぜ社名を変えたのか。
日本最大の電機メーカーとなるパナソニックは何を目指しているのか。

著者(神戸大学大学院准教授)による中村会長、大坪社長へのロングインタビュー、「Panasonic」ブランドの先行指標たる欧州市場ルポ、10月の社名変更、11月の三洋電機子会社化まで、最新の動きをすべて盛り込んだ充実の増補新版。(三浦展氏「あとがき」より抜粋)

四六 判( 352 頁)
ISBN: 9784833418973

2008年12月10日発売 / 1,572円(税込)

[著]長田貴仁(おさだ・たかひと)
神戸大学大学院 経営学研究科 准教授、博士(経営学、神戸大学) 経営者や現場の人をインタビューするフィールドワークを重視し、経営学における調査と表現の重要性を説く。特に、電機メーカーの経営については長年にわたり研究している。
近著に『社長の値打ち』(光文社新書)、『ソニー 復活の経営学』(東洋経済新報社)、『シャープの謎』(プレジデント社)ほか。

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目次

はじめに──増補新版のためのまえがき

第1章 受け継がれたバトン

トップ交代
新社長への宿題
モノづくり立社論
π型人間になれ
新中期経営計画
「パナソニック」初代社長として

第2章 ヨーロッパ戦線

ドメスティックな目では見えない「社名変更」の意味
日本メーカーは「追う側」になってしまった
「御し難い市場」

第3章 パナソニックがトヨタを超える日

勝ち続けている企業を分析する
電機業界が陥った「豊作貧乏」の本質
「オセロ・ゲーム型」の競争環境
トヨタ自動車よ、松下電器に学べ

第4章 松下がソニーを超えた日

「松下の再生」を予言した著者の「ソニー論」
両社を襲った「成功の復讐」
こうして防ぐ「大規模組織の低迷」
デジタル家電市場の二大政党制

第5章 組織を壊し再生させる要諦

「IT革命」の本質を極めたり
「分権化組織」が陥りやすい罠
連結経営の「ムダ」を取るには
「寡黙なリーダー」の論理的なメッセージ

第6章 「聖域」にメスを入れる意義

誤解された「破壊と創造」
松下版「レクサス店」をつくれ
復活した「戦略拠点」の販売力
苦境こそ改革の好機

第7章 「中小企業集団」の威力を発揮せよ

「事業ドメイン再編」で得た果実
自動車の脇役は「イノベーター」
「携帯電話の勝者」と闘う武器
破壊は確信犯的に、変革は日常業務に

第8章 「ニート」も働きたくなる会社

「成果主義」ではなく「実力主義」
「負け組部門」の社員を腐らせない策
「愛嬌でんな」はナレジマネジメントの極意
「おじさん」を輝かせなくてはならない理由
「松下マン」はパンのみにて生くるものにあらず

第9章 ヒット商品を連発する仕組み

海外経験者に国内営業を任せる意義
「標準語感覚」のマーケティング
議論すべき「四つのポイント」
「目標は前年比三倍」で変わる発想

第10章 海外で勝つ「パナソニック」流

地球国家に納税する「ボーダーレス経営」
なぜ中国人から敬愛されるのか
「人材の宝庫」を活用する
ハイエンドを狙わなければ生き残れない

第11章 「製造業衰退論」に異議あり

「超・製造業」を実現する具体策
「変則統合」という競争戦略のメリット
開発効率を五倍高める技術
スポンサーになってはいけないテレビ番組
大都市の中心に工場をつくれ

第12章 「幸之助精神」の現代的解釈

サムスンに比べれば「優しい改革」
“CSR”は創業者の理念なり
「環境立社」という事業システム
「松下モデル」で解くブランド

第13章 「自治会長型」社長の気概

人生、遅咲きの方がいい
「短歌型マネジメント」の効用
委員会設置会社へ移行しない理由
ものづくりに徹する企業の「株主重視経営」

第14章 三洋電機買収の真意とは

軽視できない「地の利」
「世襲経営は、なぜ良くないのですか」
パナソニック・三洋電機会見会場での洞察

おわりに──増補新版のためのあとがき

●パナソニック(松下電器)の連結売上高推移
●社名変更一覧表
●パナソニック(松下電器)の収益性推移
●本書に登場するパナソニック関係者一覧
●索引

※本書は2006年2月刊『The Panasonic Way』に、新章(第一章、第二章、第14章)を加筆した増補新版です。