現在窮乏、将来有望

現在窮乏、将来有望
評伝 全日空を創った男 美土路昌一

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それは「失業者救済組織」から始まった──

終戦直後、今よりもっと厳しい時代に国に頼らぬ純民間航空会社を創った毅然たるリーダーの物語。

美土路昌一とは──みどろ・ますいち。
1952(昭和27)年、全日空(ANA)の前身、「日本ヘリコプター輸送」の創業社長。
1886(明治19)年、岡山県生まれ。早稲田大学を中退して朝日新聞社に入社。戦前はジャーナリストとして活躍し、ニューヨーク特派員や、編集局長を歴任。日本人による航空事業が禁止された終戦直後の1945(昭和20)年に、航空関係者の失業救済組織「興民社」を設立。全日空社長、会長、相談役をつとめたのち、1964(昭和39)年、朝日新聞社社長就任。1973(昭和48)年、その生涯を閉じる。
『現在窮乏、将来有望』は、全日空社員に向けて美土路が掲げた鼓舞のメッセージである。

四六 判( 264 頁)
ISBN: 9784833419253

2009年12月12日発売 / 1,760円(税込)

[著]早房長治(はやぶさ・ながはる)
1938(昭和13)年、北海道生まれ。1961(昭和36)年、東京大学教養学部卒業後、朝日新聞社入社。経済部次長、論説委員、編集委員を歴任。1998年退職後、地球市民ジャーナリスト工房を設立。 著書に『私は世界一素晴らしい第二の人生を送った──玉生道経 画家に転身した元官僚』、『企業スキャンダルと監査法人』(彩流社)、『この国の処方箋』『新しい国の形』(ウェッジ)、『だれが粉飾決算をつくるのか』(廣済堂出版)など。

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目次

はじめに  ロマンなくして、世の中のための企業を起こせるか

第1章 日本の空を取り戻した男

──美土路昌一の人間像

第2章 興民社日本の空を取り戻した男

──翼を失った飛行機野郎たちの救済

第3章 ロンドン飛行指令

──朝日新聞航空部時代

第4章 反骨と屈服

──ジャーナリストとしての美土路昌一

第5章 日ペリ創業

──純民間航空会社、日本の空へ

第6章 「空の盟友」

──日航社長・松尾静磨

第7章 全日空誕生

──直後の試練

第8章 悲劇

──「右腕」中野勝義の死

第9章 再び朝日へ

──内紛解決のため社長就任

第10章 短い晩年

──故郷への思い、空への思い

あとがき──「ナショナル・フラッグ・キャリアー」の将来

参考資料

年表

索引