シリアル・イノベーター

シリアル・イノベーター
「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀

SOLDOUT

ブレークスルー・イノベーションを成熟企業で実現する人材が、
日本企業再生の鍵となる──。

重要な課題を解決するアイデアを思い付き、その実現に欠かせない新技術を開発し、
企業内の煩雑な手続きを突破し、画期的な製品やサービスとして市場に送り出す。
この過程を何度も繰り返せる人材、それが「シリアル・イノベーター」である。

四六 判( 384 頁)
ISBN: 9784833420808

2014年04月01日発売 / 2,200円(税込)

【著】Abbie Griffin(アビー・グリフィン)
ユタ大学マーケティング学部教授。同大学デビッド・エクルズ・スクール・オブ・ビジネス、Royal L. Garff記念講座教授。ハーバード・ビジネス・スクール修了(MBA)。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了(技術経営・マーケティング)、同大学院にて博士号取得。シカゴ大学ビジネススクール准教授、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校教授を経て現職。大学での指導、研究に従事する傍ら、大型トラックメーカー、ナビスター・インターナショナル取締役を務める。Journal of Product Innovation Management誌編集委員(1998~2003年)。主な研究テーマは新製品開発プロセスの評価・策定。

【著】Raymond L. Price(レイモンド・L・プライス)
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校工学部教授。人間行動学William H. Severns記念講座教授。イリノイ大学工学部イノベーション教育センターiFoundry所長。ブリガムヤング大学大学院修士課程修了(組織行動学)。スタンフォード大学大学院博士課程修了(組織行動論)、同大学院にて博士号取得。アラガン人事部バイスプレジデント、ボーイングの民間航空機部門人材教育・育成部長、ヒューレット・パッカードの技術教育マネジャーなどを経て、現職。iFoundryにおいて技術者のイノベーション人材の育成に従事する傍ら、企業における経営ならびに技術戦略のコンサルティングを手がける。主な研究テーマは組織の研究開発(R&D)部門におけるリーダーシップ・イノベーション。

【著】Bruce A. Vojak(ブルース・A・ボジャック)
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校工学部副学部長・非常勤教授。イリノイ大学大学院博士課程修了(電気工学)、同大学にて博士号取得(電気工学)。シカゴ大学経営大学院修士課程修了(MBA)。イリノイ大学工学部にて学生の指導に従事する傍ら、ミッドトロニクス取締役を務める。また、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)において経営戦略ならびに科学者人材育成プログラムなど、アメリカのグローバル企業における研究者・科学者の人事制度ならびに育成プログラムに関するコンサルティングを手がける。主な研究テーマはイノベーション・技術戦略マネジメント。

【監】市川文子(いちかわ・ふみこ)
株式会社リ・パブリック共同代表。株式会社博報堂イノベーションラボ客員研究員。グローバル・デザイン・リサーチ・ネットワークReach日本代表。1999年、慶應義塾大学大学院修了。ノキア社フィンランド本社に入社。ノキア・リサーチ・センター、ノキア中国、ノキア・デザインユーザー・エクスペリエンス・エキスパートを経て現職。グローバルにビジネス・エスノグラフィの研究者・実践者として従事する傍ら、イノベーション推進・人材育成を手がける。

【監】田村 大(たむら・ひろし)
株式会社リ・パブリック共同代表。株式会社博報堂イノベーションラボ客員研究員。東京大学i.school共同創設者エグゼクティブ・フェロー。2005年、東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。人類学的視点から新たなビジネス機会を導く「ビジネス・エスノグラフィ」のパイオニア。著書に『東大式世界を変えるイノベーションのつくりかた』(早川書房)など。情報処理学会学会誌編集委員、International Journal on Multi-disciplinary Approaches to Innovation編集委員等。内閣府、経済産業省、科学技術振興機構等でイノベーション推進・人材育成に関する研究会委員を歴任。

【訳】東方雅美(とうほう・まさみ)
慶應義塾大学法学部卒業。バブソン大学経営大学院修士課程修了(MBA)。出版社や経営大学院の出版部門を経て翻訳者として独立。訳書に『IMF-世界経済最高司令部20カ月の苦闘』(楽工社)、『脱「コモディティ化」の競争戦略』(中央経済社)、『世界一大きな問題のシンプルな解き方』(英治出版)など。

目次はこちら(クリックで開きます)

目次

イントロダクション
シリアル・イノベーターと彼らが重要な訳

第1章 成熟企業のブレークスルー・イノベーション

既存事業を支える段階的イノベーション
新しい市場を切り拓くブレークスルー・イノベーション
ブレークスルー・イノベーションを創造する

誰が新製品開発を担うのか
ブレークスルー・イノベーションへの第三の道筋――イノベーター主導型
成熟した大企業のシリアル・イノベーターは、どのようにイノベーションを起こすのか――MP5モデル

まとめ

第2章 イノベーター主導型プロセスとは

リアル・イノベーターの「砂時計型」イノベーション・モデル
適切な課題を見つける
興味深い課題を発見する/課題発見のアプローチを柔軟に活用し、組み合わせる

課題を深く理解する
理解するために準備を整える/複数の領域をまたいで、全体から考える/イノベーションへの道筋を切り拓く

技術開発と評価
複数の道筋を同時に切り拓く/モデルを構築し、評価する/
モデルを単純化する/技術開発と評価/FFEの成果――解決策の提案

遂行――実際に製品を開発する
市場での普及を促進する

まとめ

第3章 顧客とのエンゲージメントを築く

顧客の課題を見出し、理解する
顧客から市場へ――課題を完全に理解する

解決策を創出する
開発に顧客を巻き込む

市場での普及を促進する

まとめ

第4章 信頼と尊敬で組織を動かす

ブレークスルー・イノベーションにおける社内政治の問題
シリアル・イノベーターのキャリア初期における政治活動
自らの能力を基に、信頼関係とネットワークを築く/技術開発者の見方の甘さ/社内政治の現実を受け入れる
承認に影響力を持つ
多様な手法をフレキシブルに使い分ける/眼識と洞察力を活用した柔軟な手法で組織への影響力を行使する/繰り返す
大きな賭けに出るシリアル・イノベーター
ルールを破るべき時/解雇のリスク
まとめ

第5章 シリアル・イノベーターの特性

MP5モデルの内円――シリアル・イノベーターを形づくる特性
パーソナリティ(1)――課題の発見と理解に役立つ特性
パーソナリティ(2)――プロジェクトの完遂に役立つ特性
パースペクティブ(ものの見方)
モチベーション
構え
まとめ

第6章 シリアル・イノベーターはどこにいるか?

シリアル・イノベーターを特定する方法
シリアル・イノベーターを育成する方法
業界経験1年目~5年目/業界経験5年目~10年目/
シリアル・イノベーターと、その能力の一部だけを持つ人とを識別する/実績あるシリアル・イノベーター
シリアル・イノベーターを継続的に育てる仕組み
現行の採用制度に内在する課題とその克服の仕方
まとめ

第7章 才能のマネジメント

成熟した大企業でのマネジメント
シリアル・イノベーターのマネジメント――あるマネジャーの解決策
人間関係に基づいたフレキシブルなマネジメント
シリアル・イノベーターの上司という魅力的な役割
シリアル・イノベーターが活躍できる場所とは
インキュベーション・チームの創設/マーケティングと研究開発のリエゾン/
フェロー制度/「典型的な」研究開発部門/あなたの会社に適した組織構造を選ぶ方法
シリアル・イノベーターと他の技術者との対比
シリアル・イノベーターのマネジメントにおける課題とその克服 学習への意欲を示す/多方面から関与する/製品ではなく人に賭ける/
 イノベーションが、構造転換かパラダイム・シフトかを判断する

第8章 読者へのラブレター

シリアル・イノベーターと未来のシリアル・イノベーター、
そして彼らと共に働く人たちへ

附録 シリアル・イノベーターを特定するための質問例参考文献