[著]スチュアート・クレイナー + デス・ディアラブ (Stuart Crainer + Des Dearlove)
スチュアート・クレイナーとデス・ディアラブはマドリード(スペイン)にあるIEビジネス・スクールの非常勤教授として、ビジネス思想の創造と普及に努めている。ビジネス思想家の世界ランキングThinkers50(http://www.thinkers50.com/)の発案者でもあり、この分野の功績により、マネジメント・トゥデイ誌から「卓越した目利き」の称号を与えられた。
2人はジャーナリスト、評論家としても活躍し、20年以上にわたってインタビュー相手に鋭い問いを投げかけてきた。近年は、リーダーの参謀役として、巧みな問いを捻り出したり、人材と接して解決策を伝える最善の方法を探したりするための力添えをしている。イギリス政府が2009年に実施した従業員の熱意に関する調査にアドバイザーとして加わったほか、ロンドン・ビジネス・スクール、マネジメント・イノベーション研究所の準会員を務める。スワロフスキー、アブダビ経済開発庁、富士通、ハイドリック&ストラグルズなどを顧客に持つ。タイムズ紙のコラムニスト、アメリカのストラテジー+ビジネス誌の編集協力者を務めるほか、ベストセラーとなった『フィナンシャル・タイムズ・ハンドブック・オブ・マネジメント』(未訳)の編纂に当たった。共著にThe Management Century(邦訳『マネジメントの世紀』東洋経済新報社)、Gravy Training、The Future of Leadership、Generation Entrepreneur(いずれも未訳)があり、20以上の言語に翻訳されている。
スチュアート・クレイナーはビジネス・ストラテジー・レビュー誌の編集長の任にあり、パーソネル・トゥデイ(http://www.personneltoday.com/)からは「イギリスの人材マネジメントにきわめて大きな影響力を誇る人物」と評されている。デス・ディアラブはオックスフォード大学サイード・ビジネス・スクールのアソシエイト・フェローを務め、単著にリチャード・ブランソンのリーダーシップをテーマとしたベストセラー、Business the Richard Branson Way(邦訳『リチャード・ブランソン 勝者の法則』PHP研究所)がある。
クレイナーとディアラブはオックスフォード大学サイード・ビジネス・スクールのオックスフォード戦略リーダーシップ・プログラム、コロンビア大学ビジネス・スクール(ニューヨーク)、ダートマス大学タック・ビジネス・スクール(ニューハンプシャー)、IMD(スイス・ローザンヌ)、ロンドン・ビジネス・スクールほか、世界各地でMBA(経営学修士)課程の学生や経営幹部を対象とした講義やセミナーを行っている。
[訳]有賀裕子 Yuko Aruga
東京大学法学部卒業。ロンドン・ビジネススクール経営学修士(MBA)。通信会社勤務を経て翻訳に携わる。訳書に、『マネジメント I ~IV』(ピーター・ドラッカー著、日経BP社)、『新訳 科学的管理法』(フレデリック・W・テイラー著、ダイヤモンド社)、『ポールソン回顧録』(日本経済新聞出版社)、『経営は何をすべきか』(ゲイリー・ハメル著、ダイヤモンド社)、『ブルー・オーシャン戦略』(W・チャン・キム、レネ・モボルニュ著、ダイヤモンド社)、『トレードオフ』(ケビン・メイニー著、プレジデント社)、『スペンド・シフト』『女神的リーダーシップ』ともに(ジョン・ガーズマ、マイケル・ダントニオ著、プレジデント社)ほか多数。
――Thinkers 50について
マネジメント思想家の世界ランキングの決定版ともいえるThinkers 50は、マネジメント思想を調査、ランク付けしたうえで世の中に広く紹介する取り組みである。発案者のスチュアート・クレイナーとデス・ディアラブはビジネス・ジャーナリストとしての活動を通じて、一流のマネジメント思想家を対象とした独自ランキングの必要性に気づき、2001年以降、隔年でThinkers 50を発表するようになった。
2011年には複数のランキング部門を新設したうえで、「マネジメント思想のアカデミー賞」と銘打って初のThinkers 50サミットを開催した。2011年に首位に輝いたのはハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授。歴代の第1位は、ピーター・ドラッカー(2001年、2003年)、マイケル・ポーター(2005年)、C.K.プラハラード(2007年、2009年)である。
ランキングはThinkers 50のウェブサイト上での投票と、スチュアート・クレイナー、デス・ディアラブほかアドバイザー陣の意見をもとに決定される。評価基準は以下の10項目である。
1.思想の独創性
2.思想の実用性
3.発表のしかた
4.文章
5.信奉者の忠誠度
6.ビジネスセンス
7.国際的視野
8.調査の厳密さ
9.思想の影響力
10.人々を鼓舞する力
目次はこちら(クリックで開きます)
はじめに
第1章 マネジメントの発祥
マネジメント論の萌芽/科学的管理法/人間関係論/科学重視か、人間重視か/本書の骨子
第2章 マネジャーの仕事
ヘンリー・ミンツバーグとの対話/プロフェッショナル・マネジャー
第3章 働く人の動機づけ
「能力よりも忠誠心」の時代/シルビア・アン・ヒューレットとの対話/ゲイリー・ハメルが考える「やる気を引き出す最新のルール」/働く人の熱意がすべて
第4章 業務プロセスの管理
デミングに学んだ日本/リエンジニアリング革命/ジェームズ・チャンピーとの対話/「高速組織」とは何か
第5章 成果の把握
バランス・スコアカードという考え方/デービッド・ノートンとの対話/公的セクターの「使命達成度」を測る
第6章 変化のマネジメント
組織のライフサイクル/変革リーダーが避けるべき八つの落とし穴/ジョン・コッターとの対話/チェンジ・マスター/変革に必要なスキル/起死回生のためのプロセス/ロザベス・モス・カンターとの対話
第7章 人材のマネジメント
マッキンゼーの「人材育成・獲得競争」/デイビッド・ウルリッチとの対話/人材を適切に処遇する/ダグラス・レディとの対話
第8章 グローバル経営
グローバル経営のジレンマ/異文化の懐に入る/グローバルリーダーの資質
第9章 マネジメントと感情
成功するための「五つの心」/IQよりもEQが決め手/ダニエル・ゴールマンとの対話/ダニエル・ピンクが語る「セールス活動と感情」
第10章 ミレニアム世代のマネジメント
世界人口の四分の一がY世代/引退を引退する/リンダ・グラットンとの対話/社員を大切にする会社/激流をものともしない経営
謝辞
原注
Thinkers50について