新装版 運命を開く

新装版 運命を開く

吉田茂、佐藤栄作、田中角栄も頼った指南書

四六 判( 272 頁)
ISBN: 9784833421263

2015年04月01日発売 / 1,870円(税込)

[著]安岡正篤(やすおか・まさひろ)
明治31年(1898)、大阪市生まれ。大阪府立四條畷中学、第一高等学校を経て、大正11年、東京帝国大学法学部政治学科卒業。東洋政治哲学・人物学の権威。既に二十代後半から陽明学者として政財界、陸海軍関係者に広く知られ、昭和2年に(財)金鶏学院、同6年に日本農士学校を創立、東洋思想の研究と後進の育成に従事。戦後、昭和24年に師友会を設立、政財界リーダーの啓発・教化につとめ歴代首相より諮問を受く。58年12月逝去。
〈主要著書〉「支那思想及び人物講話」(大正10年)、「王陽明研究」(同11)、「日本精神の研究」(同13)、「東洋倫理概論」「東洋政治哲学」「童心残筆」「漢詩読本」「経世瑣言」「世界の旅」「老荘思想」「政治家と実践哲学」「新編百朝集」「易学入門」〈講義・講演録〉 「朝の論語」「活学1~3」「東洋思想十講」「三国志と人間学」「運命を創る」「運命を開く」ほか。

目次はこちら(クリックで開きます)

目次

活人 活学

現代に生きる「野狐禅」――不昧因果の教え

因果の法則を昧ますな
山田方谷の理財論

家康と康熙帝――守成の原理について

国家興亡の四過程
創業者は垂統に拙い
道義性培養に成功した家康
康熙帝のインテリ操縦法

漢字のマネー哲学――金を負む者は負ける

「姦」は“多くの女を操縦する”
「才」は“少し頭を出したばかりの能力”
「濟」とは、すべての関係者を立派に伸ばすこと

「人間」を創る

「人間」を創る――親と師は何をなすべきか

現代社会の危機──少数支配者の専制
人間の四要素──徳性、知能、技能、習慣
人間は十七歳ででき上がる
家庭教育についての大きな誤解
人格・道徳教育を欠いた学校教育の失敗
「尋常」の意味
〈付〉“人間学”に疎い部課長の醜態

父親はどうあるべきか――細川幽斎と西園寺公望

自尊心を失い権威を放棄する父親
細川幽斎と西園寺公望の場合

「道徳」の美学

人間としてのあり方を美しく自然にするもの
教育とは「垂範」である

東洋哲学からみた宗教と道徳

本源を忘れた宗教教育の失敗
宗教の本義
「易」の理法からみた宗教と道徳

運命を展く

中年の危機――樹に学ぶ人生の五衰

幸田露伴の樹相学
「男」の説文学
案山子の語源

大成を妨げるもの――“専門化”の陥し穴

分派、末梢化の弊害
〈付〉有名無力、無名有力

夢から醒めよ――邯鄲の夢

人生とはこんなものだ
運命の厚薄と徳の厚薄

運命を展く――人間はどこまでやれるか

“脳潰瘍”にならぬよう
頼山陽、山田方谷、橋本左内の場合
直観にすぐれた頭脳こそ最上
思想・理論の陥し穴
人間の念力の偉大さ
病弱に克つ──ヘレン・ケラー、セシル・ローズ
貧乏に克つ──三浦梅園、勝海舟、高橋泥舟
愚鈍といわれたナポレオン、ニュートン、中井竹山
多忙をバネにした飯田黙叟、直江山城守、王陽明
寸陰を惜しむ──枕上、馬上、厠上
勝因と善縁──良き師・良き友を持つ
老年になっても壮心を持て

養生と養心

養生と養心――易学からみた心と体の健康法

過密化は人間を破滅させる
世界を駆けるエリートは肝臓にご注意
天人一体観──人間は最も偉大な自然である
トインビーが応用した「陰陽相待性理法」
理知は酸性(陽)、感情はアルカリ性(陰)

「敏忙」健康法

敏忙のすすめ
四耐
濁世の五濁
十纒


流風余韻  山口勝朗