のりこ先生の魔法のことば

のりこ先生の魔法のことば

子どもを甘やかさず、大目に見ず、徹底して「一人前扱い」することで子どもの可能性は引き出せる。
人気保育園コビープリスクール創始者が語る子育て珠玉の知恵。

四六 判( 192 頁)
ISBN: 9784833421669

2016年02月15日発売 / 1,540円(税込)

小林典子(こばやし・のりこ)
1935年、大師山報恩寺(千葉県野田市)住職古谷光隆大僧正の次女として生まれる。1948年、大師山報恩寺が当時の野田市から依頼を受けて境内内に設置した「大師山保育園」の保育士として保育キャリアを始める。戦後まもない頃の福祉に重点を置く草創期の保育を実践し、高度経済成長期から女性の社会進出が進むバブル期を通じて、それぞれの時代背景に合わせた保育を実践。家庭環境の変化にともなう、保育に対する多様な社会的ニーズなどにも敏感に対応し、時々の最先端保育を提供し続ける。生涯、現場実践主義をつらぬき、子どもたちとのふれあいを通じて多彩な保育内容を展開し、現在のコビーにも受け継がれる数々の保育行事を発案。40年以上もの保育経験にもとづき「マトリクス保育」を考案する。

[著]山田清機(やまだ・せいき)
1963年富山県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。鉄鋼メーカー、出版社勤務を経て独立。『プレジデント』『プレジデントファミリー』『アエラ』『婦人公論』などで活躍。人物取材を得意とする。『東京タクシードライバー』(朝日新聞出版)で第13回新潮ドキュメント賞にノミネート。最新刊は『東京湾岸畸人伝』(朝日新聞出版)。1児の父。

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目次

私に預ければ、大丈夫。

1 できるのが当たり前と言えば、子どもはできる

 割れないと思うから粗末に扱うのよ、割れると思えば大切に扱うものよ。
 お兄ちゃんにいいものを使わせれば、下の子は自然にものを大切にするようになる。
 テレビやビデオに子守をさせては絶対にダメ。見せるなら一緒に見て、一緒に感動しなさい。
 おもちゃがなくなったら徹底的に捜させなさい。捜すのに苦労すればものを大切にするようになるから。
 自分だけがいいんじゃなくて、みんなが気持ちよく過ごせることがルールだよ。
 梯子の角度は急なほうがいい。
 子どもにはよく切れる包丁を使わせて、大怪我じゃない程度の怪我をさせたほうがいい。
 ICTもハサミも使いよう。
 走っちゃダメって言うと子どもはよけいに走るから、「つま先で歩いてごらん」って言えばいいのよ。
 お箸は右手、ハサミは左手。

2 小学校からでは遅すぎる

 ナイフとフォークでハーフコースを食べさせなさい。
 破いてもいい絵だから破かれるのよ、本物の絵を飾りなさい。
 BGMは生演奏じゃなければダメよ。
 保育園も国際化しなくては。でも、英語は日本語ができるようになってから。
 この子、ほかの子とちょっと違う。
 筆記用具はクレヨンから、ひらがなは年長さんから。
 ささやき声でも保育はできるのよ。

3 子どもに憧れられなかったら大人失格

 かけっこでは、絶対子どもに負けちゃダメよ。
 「大きくなったら先生と結婚したい」、そう言われる存在になりなさい。
 準備は子どもに見せないほうがいい。
 異年齢の子をただごちゃまぜにしても、子どもの成長にはつながらない。
 「やりたいのに」っていう思いは、すぐに叶えないほうがいい。
 免許を発行してあげれば、子どもは真剣に取り組む。

4 花を描くために花の種をまく

 子どもに嘘を教えてはダメよ。
 ちぎり絵をやるなら、花の種からまきなさい。
 これは大事にする草、これは抜いていい草よ。

5 さようなら典子先生


大師山報恩寺
長谷寺
大師山保育園
逆単身赴任
大師山保育園の閉園
のりこの保育室
ひかり隣保舘保育園
保育の集大成
アメリカ
アベマリア

あとがき