実践版 三国志

実践版 三国志
曹操・劉備・孫権、諸葛孔明……最強の人生戦略書に学ぶ

曹操・劉備・孫権、諸葛孔明……
最強の人生戦略書に学ぶ「これは乱世を生き抜くための最高の教科書だ」

本書は、著名な三国志から現代の私たちが何を学べるか分析した本です。
私たちは三国志の知恵を、自らの人生にどう生かせるのか。
三国志の深慮な兵法と戦略を、みなさんと共に学びます。

四六 判( 296 頁)
ISBN: 9784833421706

2016年05月19日発売 / 1,650円(税込)

[著]鈴木博毅(すずき・ひろき)
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。ビジネス戦略、組織論、マーケティングコンサルタント。MPS Consulting代表。日本的組織論の名著『失敗の本質』をわかりやすく現代ビジネスパーソン向けにエッセンス化した『「超」入門 失敗の本質』はベストセラー。『実践版 孫子の兵法』(小社刊)は5万部を超えるロングセラーに。近著に『戦略は歴史から学べ』(ダイヤモンド社)がある。

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目次

はじめに 特別な才能が同時代に生まれた三国志の時代

三国志の主人公、曹操、劉備、孫権の生い立ち/正史『三国志』と、物語としての『三国志演義』のちがい/諸葛氏と司馬氏、2つの一族と三国を巡る戦い/最高の人間学として読み継がれる三国志の魅力/「三国志の兵法」を分析する5つの軸

人物紹介/年表/地図


第一章 乱世とは過去の権威が、崩れていく時代

01 巨大組織が腐敗し、民衆の怒りは頂点に達した

腐敗が進む時、旧権力から離れるべき時を見極めよ/支配権の奪い合いに巻き込まれず、混乱から脱出する/民衆の不満や怒りを、新たな達成のための力に変える/転換期に渦巻くエネルギーを、原動力にできた者が勝つ

02 劉備、孫権、曹操が発揮した「能動的に離れる力」

リスクから巧みに離れながら、信義を失わないこと/危機から離れながら、信義を貫く者に人は従う/強敵がいない場所で繁栄して、得意なことに集中する/古い習慣の打破には、新制度の導入が最も効果的である/機能不全のものから離れる力が、成果を決定する

03 古きから離れることができずに滅んだ英雄たち

名門や家柄を誇るだけでは、乱世で食べてはいけない/平和時と乱世では、異なる統治法に切り替えるべし/地位の高さに応じて、不要な偏見は潔く捨てるべき/機能不全の過去を捨てた者は勝ち、捨てない者は敗北する

04 荀いく、諸葛亮、周瑜、3人の天才軍師の共通点

乱世の危険を避けながら、新時代の波を自ら取り込む/自分の価値が最大化できる、新たな機会と融合せよ/新しい時代を支配する力とは何か、常に問うべし/過去が通用しないとき、自分を新たな力と結びつけよ


第二章 三国志、一瞬の輝きで消えた人の「失敗の本質」

05 反董卓連合の12名はなぜ生き残れなかったのか

言葉しか扱えない人物、危機から離れない者は消える/チャンスに強い人物も、軽率に過ぎれば滅亡を招く/無謀すぎる、恨みに鈍感、優柔不断は没落への道/凡将は駒として部下を集め、英雄は熱き同志を集める

06 リスク判断から、組織管理へ移行する中間期

敵の得意分野ではなく、こちらの優位な領域で戦う/不安で思考を濁らせず、最初の目的を思い出す/継承は、兄弟間で争わないよう権力分散をしておく/新時代に合わせて、次の大きな未来図を設計しておく

07 なぜ、曹操だけが生き残ることができたのか?

優れた人材に惚れた曹操は、偉才たちに惚れ返された/人が尻込みする場面は、飛び込む者にチャンスとなる/周到な自己演出で、偉才が参加したくなる組織にせよ/天才を集めて活かす、この一点で曹操は生き残った

08 突出した才能を「使いこなす」曹操の技術

優れた人材を吸収しながら、人材のリスクに対処する/優れた人材を渇望しつつ、仕事に人をつけて管理する/良い人材を引き寄せて、死力を尽くす環境に組み込む/厳しさと仕組みを縦糸、才能への愛を横糸にした曹操


第三章 なぜ、劉備はわらじ売りから皇帝になれたのか

09 桃園の結義、二人の義兄弟と建国した蜀の皇帝劉備

内的魅力を磨き、理想へ共に向かう強い盟友を得る/魅力的な反多数派の旗印を掲げ、同志を惹きつける/共通の利害で味方となり、相手に自然に決断させよ

10 兵法書『六韜』と劉備の基本戦略(1)

学び愛した理論が人生を創る。手本は慎重に選ぶべし/利益を共有して、自らに接するように相手を扱う/トップに逆らわず、その周辺と交際して推挙されよ/必要な行動は直ちに行い、自らに躊躇を許さない

11 兵法書『六韜』と劉備の基本戦略(2)

人に功績を譲り、安心感を与えて、相手の懐に入り込む/成長を続けるには、地位や富を得ても周囲を見下さない/相手の心が渇望しているものを与える者が、上に立つ/人を惹きつける魅力は、学ぶことで身にまとう

12 劉備という男のきわだつ魅力と限界

目の前の争いに囚われず、最終目標を達成せよ/別の標的を作りかく乱して、敵の敵を味方にする/自らを疑い、目標実現に足りないものを見つけ出す/大きな夢や志を持ち、人が活躍する舞台を創り上げよ


第四章 呉の孫権、家業を繁栄させた3代目の若頭

13 父と兄の死を乗り越え、19歳でトップとなった孫権

助言は、感情ではなく謙虚と合理性で受け止める/若者の成長を促すには、優れた年長者と結びつける/全員に自由な意見をすべて出させて、あなたが決断する/優れた者の能力を引き出して、使いこなす者が君主

14 人使いを極めた若き孫権のテクニック

若いトップは、自分の資質以外にも目を向ける/周囲の手本となる凄い部下を、トップが褒め称える/次は自分が褒められたいという人間を増やしていく/派閥は偏らせず、正しい貢献を目指して競わせよ/人を説得するよりも、物理的な環境を変えてしまえ

15 グループが最大の繁栄をする目標を選んだ孫権

トップは、集団に繁栄と豊かさを与える目標を掲げよ/危機を機会として利用し、集団を強く一致団結させよ/プライドやメンツ、枝葉をバッサリ捨てて実を取れ/年を重ね権力を得るほど、批判を受ける機会を得よ


第五章 曹操を選ばなかった諸葛孔明の狙いとは

16 劉備軍団の運命を激変させた一人の男

才能や志とともに、参入する業界や機会を厳選する/自分が情熱を注ぐことが出来る、花開くまえの機会を見つけよ/やみくもな努力ではなく、追い風を受ける立場を作れ

17 徹底して爪を隠した若き日の司馬懿

どんな強者にも必ず弱点はある、そこを突く/目標を手離さず、機会を狙い続ける執念も力である/軽薄な賢さより、人間としての強さで勝者となる/人間の弱さを知り、常に相手の弱みを突き続ける

18 政治統治者としての諸葛亮の凄さ

組織を正しく保つため、ルールと規範を創り上げる/準備できないチャンスは、熟慮するより飛び掛かれ/頭の良さは2つある。臨機応変と周到な計画力である/予期せぬ機会には、計画を変えて人と資源を注ぎ込め/模範となり、人から強さや誇り、誠実さを引き出す

19 戦場指揮官から、帝国を創った司馬懿の強さ

何事も完遂させるため、強い疑り深さこそ武器にせよ/全体を見て敵の弱みを突き、自らの弱みは補強せよ/一番弱い部分を底上げすることで、全体を強くせよ/人生の成否は、あなたの一番弱いところで決まる


第六章 すべての諸葛一族を滅ぼした司馬氏

20 魏の諸葛誕、司馬氏の専横に反旗をひるがえす

勝てる戦場を選ばねば、部下の奮戦も無駄死に終わる/子供の資質に合う、相手が輝ける目標を与えること/才能を経験で磨かず、敵を甘く見れば自ら滅びる

21 三国志が教える、後継者や子供の育て方

英雄が育つ環境には、才能を見抜く親や親類がいる/後継者選びと相続では、早期の決断が禍根を断つ/一族が長く栄えるには、団結できる家風を残すこと

22 次の世代を飛躍させるのに、何が必要か

子供、青年が自らの理想とする人物と出会わせる/子供や後継者には、時代に合う目標を与えてやること/親の豊かさや名声を誇るまえに、社会を体験させよ

23 人生を輝かせる三国志の英知

時節や機会は一瞬、あなたが立たねば他者が勝つだけ/新たに生まれている問題の解決者は、必ず飛躍する/人生を大きく変えたくば、優先順位を大きく変えよ/一度きりの人生に、全力を尽くす者こそが英雄である


あとがき 乱世を生き抜くための、最高の教科書


超訳「六韜の兵法」早わかり! これが劉備の読んだ兵法だ!

参考文献