ビジネスに効く教養としての中国古典

ビジネスに効く教養としての中国古典

ビジネスマンのための中国古典の読み方、活かし方
リーダーをめざすなら知っておきたい必読古典のエッセンスと名言が満載!
東洋思想研究の第一人者が、日本人になじみ深い名著14篇を選び、
三千年の風雪に耐えた古典の精髄をわかりやすく説き明かします。

四六 判( 264 頁)
ISBN: 9784833421829

2016年07月15日発売 / 1,760円(税込)

[著]守屋 洋(もりや・ひろし)
著述業(中国文学者)。1932年生まれ。東京都立大学中国文学科修士課程修了。主な著訳書に『孫子・呉子』『「老子」の人間学』『【新編】論語の人間学』(以上、プレジデント社)、『[決定版]菜根譚』『韓非子』『[新訳]大学・中庸』(以上、PHP研究所)、『呻吟語』(徳間書店)、『貞観政要』(ちくま学芸文庫、筑摩書房)など多数。

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目次

まえがき

第一章 『孫子』勝つためのエッセンスを凝縮

呉王の軍師・孫武が著す
最善の勝ち方は「戦わずして勝つ」
勝算のない戦いはするな
情報にカネを惜しむな
戦上手は無理なく勝つ
主導権を握れ
手薄なところを見つけて攻めろ
将たる者の条件

 

第二章『論語』人間学の教科書

独学で政治を志した苦労人、孔子
バランス感覚にすぐれた人間通だった
上に立つ者はまずわが身を正せ
利益と「人の道」は両立すべし
能力と徳を備えた「君子」をめざせ
大切なのは「やる気を出す」こと

 

第三章『孟子』と『荀子』「性善説」VS「性悪説」、人間の本性は?

仁と義を重んじた理想主義の孟子
規範が必要と説く現実主義の荀子
与えられた試練をバネに自分を磨け
ものごとの一面だけにとらわれるな
禍はほんの些細なことから起こる

 

第四章『老子』万物の根本原理を説く

しぶとく、しなやかに生き抜く極意
“水”のような生き方こそ理想
昇りつめたら身を引くのが天の道
奪おうとするならまず与えよ
指導者ぶらないリーダーに国民は帰服する
謎の多い作者

 

第五章『荘子』饒舌に語られる「達観の思想」

のびやかで奔放な語り口が魅力
魏王への戒め「蝸牛角上の争い」
「朝三暮四」に惑わされるな
井の中の蛙、大海を知らず
効率ばかりでは人間性はいびつになる
変化に合わせて眼前の事態に対処
「無用こそ有用」という逆転の発想
敵が退散する「木鶏」をめざせ

 

第六章『韓非子』始皇帝が採用した性悪説の帝王学

人間は利益によって動く生き物
「法」に抜け穴をつくってはならない
「術」で隅々まで睨みをきかせる
進言するなら逆鱗に触れるな
部下の智力を使いこなせ
些細なことから体制は崩れる

 

第七章『史記』異彩を放つ最初の「正史」

恥辱に耐えて完成させた執念の書
項羽と劉邦――対照的な個性
「法三章」で民心を得た劉邦
優勢だった項羽を徐々に追い詰める
「四面楚歌」で勝負あり
歴史の教訓に学ばなかった項羽
リーダーとしての器の差が明暗を分けた

 

第八章『三国志』現代にも通用する戦略戦術

生き残りに鎬を削る個性豊かな面々
経営手腕にすぐれた曹操
時代を超えた傑物
徳を備えたリーダー、劉備
部下の使い方がうまかった孫権
慎重な采配に徹した諸葛孔明
政治のツボを心得た名宰相

 

第九章『大学』と『中庸』近世日本の礎を築いた「儒学の原典」

リーダーにふさわしい徳を養う
天下を視野にわが身を修養せよ
「日日に新たに」の覚悟で取り組め
ほどよいバランスが理想
目立たない徳を積み重ねる
「九経」――儒教のめざした政治

 

第十章『呻吟語』リーダーかくあるべし

中国古典、最初の一冊に最適
どっしりとして深みのあるリーダーをめざせ
切れ味を磨け、ただし内に秘めろ
「発言」と「行動」が君子の要
駆け引きも身につけたい
組織をまとめていくコツは「愛」と「威」

 

第十一章『菜根譚』読みつがれてきた処世指南の決定版

読む人の立場や境遇に応じたアドバイス
めざすべき人物像とは
天の意思は予測できない
一歩進むなら人に一歩譲れ
進むときには後ろに退くことを考えよ
成功があれば必ず失敗がある

 

第十二章『貞観政要』徳川家康も愛読した帝王学の原典

守成の困難に臨む二代目皇帝
忠臣の諫言でみずからの過ちを知る
率先垂範、わが身を正す
安泰なときほど心を引き締めよ
態度は謙虚に、発言は慎重に