2030年ジャック・アタリの未来予測

2030年ジャック・アタリの未来予測
不確実な世の中をサバイブせよ!

「起きるわけがない」と決めつけても、どんなことだって起こりうる。
そうした最悪の事態を予測することこそが、最悪を回避する最善の手段なのだ。

四六 判( 224 頁)
ISBN: 9784833422406

2017年08月10日発売 / 1,980円(税込)

[著]ジャック・アタリ
1943年アルジェリア生まれ。フランス国立行政学院(ENA)卒業、81年フランソワ・ミッテラン仏大統領顧問、91年欧州復興銀行の初代総裁などの要職を歴任。政治・経済・文化に精通し、ソ連の崩壊、金融危機、テロの脅威、ドナルド・トランプ米大統領の誕生などを的中させた。著書は『21世紀の歴史』、『金融危機後の世界』、『国家債務危機─ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか?』、『危機とサバイバルー 21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉』(いずれも作品社)、『アタリの文明論講義:未来は予測できるか』(筑摩書房)などが多数ある。

[訳]林昌宏(はやし・まさひろ)
1965年名古屋市生まれ。翻訳家。立命館大学経済学部卒業。訳書にジャック・アタリ『21世紀の歴史』、ダニエル・コーエン『経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える』、ボリス・シリュルニク『憎むのでもなく、許すのでもなく』他多数。

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目次

【目 次】

日本の読者へ
Introduction

第一章 憤懣が世界を覆い尽くす

順調にみえる世界

向上し続ける生活水準/続伸する平均寿命/減少する極貧/コスト削減の推進/新たなコミュニケーション手段の普及/農業、教育、医療の分野におけるイノベーション/技術進歩によって減る苦役/企業組織の大変革/共有経済〔シェアリングエコノミー〕の発展/協働と利他主義の推進/強化される民主主義/パクス・アメリカーナは健在/環境問題に対する意識の高まり/人類の団結/国際法の支配強化/暴力の減少

世界では多くの重要なことが、悲惨な状態になりつつある

高齢化する世界人口/医療サービスの乏しい地域での人口爆発/移民の恵まれない境遇/地球環境の悪化/気候変動が世界におよぼす悪影響/農業の暗い未来/低迷する経済成長/加速する富の偏在/貧困化する先進国の中産階級/はびこり続ける極貧/破綻寸前の教育システム/破綻寸前の医療システム/脆弱な国際金融システム/膨張し続け、制御不能に陥る公的債務/債務軽減の窮余の策:マイナス金利の適用/知的所有権の侵害/失われる報道の自由/民主主義の後退/国家を牛耳る大企業/吹き荒れる保護主義の嵐/超大国アメリカの危うい経済成長/不透明な中国の経済成長/政治力のないヨーロッパ/頭角を徐々に現すロシアやインド/能力不足の国際機関/社会と家族の崩壊/カルトと原理主義者の台頭/勢力を伸ばすカルト集団や犯罪組織などの非国家組織/地政学的戦略の混乱と暴力の再燃


第二章 解説

I.現在までのところ、政治と経済の自由に基づく社会組織は、世界で最も優れた制度だったことが明らかになった
II.しかしながら今日、このシステムは機能不全であり、世界は奈落の底へ突き落とされる寸前である
III.今日、市場はグローバル化され、法の支配のない状態にある
IV.国内に閉じこもる民主主義はますます空虚になり、民主主義が現実に対しておよぼす影響力は減る一方である
V.袋小路に陥り、怒りが爆発する
VI.自由を断念することなく.大惨事.を回避するための二つの解決策


第三章 九九%が激怒する

世界をよりよい方向に向かわせる

今から二〇三〇年までに、経済成長と社会調和の源泉が変化するのはほぼ間違いない
二〇三〇年、多くの分野においてポジティブな変化がある

好循環に向かうのか


このままでは、世界は大混乱へと向かう

人口学的観点からみたマイナス傾向/ますます悪化する公害/気候変動による影響は深刻化/水資源の枯渇/悪化する食糧事情/移民の増加/イノベーションが労働市場に衝撃をもたらす/富は集中し続ける


激怒の社会構造

不均衡の増幅/怒りを表す手段が増える


世界中で怒りが爆発

経済と金融の世界的危機を引き起こす六つの火種/世界大戦を勃発させる六つの起爆剤/異常事態


第四章 明るい未来

自分自身に働きかける
世界のために行動を起こす


謝辞
訳者あとがき
原注