鹿島 茂(かしま・しげる)
フランス文学者。明治大学教授。専門は19世紀フランス文学。1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。現在明治大学国際日本学部教授。『職業別パリ風俗』(白水社)で読売文学賞評論・伝記賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。新刊に『悪の箴言 耳をふさぎたくなる270の言葉』(祥伝社)、『明治の革新者~ロマン的魂と商業~』(ベストセラーズ)、『カサノヴァ 人類史上最高にモテた男の物語』(キノブックス)などがある。
井上章一(いのうえ・しょういち)
1955年、京都府生まれ。京都大学工学部建築学科卒、同大学院修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手ののち現在、国際日本文化研究センター教授。専門の建築史・意匠論のほか、日本文化や関西文化論、美人論など、研究範囲は多岐にわたる。1986年『つくられた桂離宮神話』(弘文堂、講談社学術文庫)でサントリー学芸賞、1999年『南蛮幻想』(文藝春秋)で芸術選奨文部大臣賞、2016年『京都ぎらい』(朝日新書)で新書大賞を受賞。その他、『美人論』『関西人の正体』(朝日文庫)、『京都ぎらい 官能篇』(朝日新書)など著書多数。
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まえがき
京都の地図
パリの地図
第1章 京都人とパリジャンの気質
- 生まれと育ちに対する意識
- 創業年数を誇る京都のお店
- パリのブルジョワジーは金融系で、お城持ち
- 京都人は東京へ行くことを、やはり「東下り」と言う
- パリになぜ核家族が残ったのか
- パリジャンの、お金に対する意識
- 京都人の、お金に対する意識
- 日本には「怨霊」がいるが、フランスにはいない
- ヨーロッパでの死の概念
- 日本人の、フランスに対する思い
第2章 京都の花街、パリのキャバレーや娼館
- 宗教家とエロティシズムの関係
- 日本の花街とフランスの娼館
- 日本とフランスで、政治的にも使われた性風俗
- パリの娼館は、スパイの温床だった
- 京都のお茶屋とパリの娼館は、管理システムが似ている
- パリのサロン文化が花開いた背景
第3章 京女、パリジェンヌの美人力
- かつてのフランス式夫婦、フランス式恋愛
- 自慢したい男心
- パリジェンヌの魅力
- 意気地なし文化を育んだ京都
- 女性のどこに魅力を感じるか
- フランス語の隠語
- 男の幻想を支える「京女」と「パリジェンヌ」
第4章 京都とパリの魅力、都市史
- 洛中の人にとっての「京都」はどこ?
- パリの人にとっての「パリ」はどこ?
- パリと京都の「汚(けが)れ」に対する意識の違い
- パリの墓地
- 土地の持ち主
- パリの高級住宅地の変遷
- 応仁の乱の前、後
- 近年のパリの再開発
- パリのマレ地区はユダヤ、ファッション、ゲイのエリア
- 京都にゲイスポットはない
- 京都、東京、パリの「とらや」
- 京都とパリの街並みを比較
- 京都・百万遍のカルチェ・ラタン
- 現代の教育事情
- パリジャンは日本車、ドイツ車、国産の車をどう思っているか
- パリをテーマにした詩や歌
- 京都とパリが人気の観光都市になった背景
第5章 京都とパリの食事情
- パリの食事情
- 京都の食事情
- 日本人から見たフランスの魚介類
- 京都の地酒、パリのワイン
- 京都とフランスのつながり
- フランス文化を語るのに欠かせないイタリア文化
- 京都人から見た東京、リヨン人から見たパリ
- 安くておいしい食べ物なら京都より大阪、フランスよりイタリア
- 食も風俗も、パリよりリヨンのほうが進んでいた?
- フランスのシュヴァリエ文化
注釈
あとがき