大前研一「7割経済」で勝つ新デジタルシフト

大前研一「7割経済」で勝つ新デジタルシフト

ウィズコロナ時代、ビジネスに勝つ要諦は、デジタルとリアルの融合にあり!
コロナの影響で経済規模が7割まで縮小した現在、従来の手法でビジネスに勝つことはできません。
遊休資産をデジタルの力でカネのなる木に生まれ変わらせるアイドルエコノミーの全貌、そのアイドルエコノミーが世界で最も進んでいる中国の最新事情など、大前研一氏をはじめとする豪華執筆陣たちが新しい経済と今後のビジネスの在り方を示します。

〈はじめに〉
新型コロナウイルス禍にあって、「7割経済」という言葉がクローズアップされている。文字どおり、コロナによる人々の消費行動や働き方の変化によって企業の売上高が激減し、経済規模がコロナ前の7割程度まで縮小してしまったことを示している。
経済規模が縮小してしまっても、そのなかで勝者になればいいのである。現在は、インターネットによって新しいビジネスが続々と生まれている。とくに本書で主に取り上げる「アイドルエコノミー」は、眠っている遊休資産をテクノロジーを活用して利益を生ませるという意味では、「7割経済」で勝ち抜くための最適な手段といえる。
海外ではテクノロジーを活用することで、従来の業界の枠組みを根底から破壊するようなサービスが続々と生まれている。さらに、つい最近まで新興国と呼ばれていた国がテクノロジーによって、一挙にイノベーション大国に変貌することが現実に起こっているのである。
もちろん、新しいテクノロジーが生まれることによって、新たなリスクや課題が生まれることも事実である。本書ではそのような側面にも目を向けた。本書によって、テクノロジーが生み出す新たなエコノミーの姿を、読者が正しく理解することを切に願っている。

四六 判( 272 頁)
ISBN: 9784833423892

2020年10月16日発売 / 1,980円(税込)

[著]大前 研一 (Kenichi Ohmae)
早稲田大学卒業後、東京工業大学で修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士を取得。日立製作所、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、現在、(株)ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長。著書に、『「0から1」の発想術』『低欲望社会「大志なき時代」の新・国富論』『「国家の衰退」からいかに脱するか』(共に小学館)、『大前研一 稼ぐ力をつける「リカレント教育」』、「日本の論点」シリーズ(小社刊)など多数ある。
「ボーダレス経済学と地域国家論」提唱者。マッキンゼー時代にはウォール・ストリート・ジャーナル紙のコントリビューティング・エディターとして、また、ハーバード・ビジネス・レビュー誌では経済のボーダレス化に伴う企業の国際化の問題、都市の発展を中心として広がっていく新しい地域国家の概念などについて継続的に論文を発表していた。この功績により1987年にイタリア大統領よりピオマンズ賞を、1995年にはアメリカのノートルダム大学で名誉法学博士号を授与された。
英国エコノミスト誌は、現代世界の思想的リーダーとしてアメリカにはピーター・ドラッカー(故人)やトム・ピーターズが、アジアには大前研一がいるが、ヨーロッパ大陸にはそれに匹敵するグールー(思想的指導者)がいない、と書いた。
同誌の1993年グールー特集では世界のグールー17人の1人に、また1994年の特集では5人の中の1人として選ばれている。2005年の「Thinkers50」でも、アジア人として唯一、トップに名を連ねている。
2005年、『The Next Global Stage』がWharton School Publishingから出版される。発売当初から評判をよび、すでに13カ国以上の国で翻訳され、ベストセラーとなっている。経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。
趣味はスキューバダイビング、スキー、オフロードバイク、スノーモービル、クラリネット。
ジャネット夫人との間に二男。

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目次

はじめに

パート1 アイドルエコノミー編

第一章 アイドルエコノミー2・0 拡大・普及期を迎えたシェアリングエコノミー/大前研一

 アイドルエコノミーとは

 企業・行政の遊休資産を活用したビジネス

 ユニコーン企業の中心は、アイドルエコノミー型ビジネス

 「アイドルエコノミー2・0」とは

 配車/ライドシェアをめぐる関係

   アイドルエコノミーの事例① タクシー配車/ライドシェアサービス

   アイドルエコノミーの事例② スペース(空間)

   アイドルエコノミーの事例③ ヒト(スキル)

   アイドルエコノミーの事例④ モノ

   アイドルエコノミーの事例⑤ カネ

 世界中に拡大普及するアイドルエコノミー

 急拡大する中国のアイドルエコノミー市場規模

 アフリカのアイドルエコノミー企業事例

 プラットフォームを中心とした経済圏(周辺ビジネス)への広がり

 アイドルエコノミーの将来像とは?

 「シェアリングエコノミー」と「アイドルエコノミー」の発想の違い

 アイドルエコノミーを取り込む方法

 海外の空いているリソースを活用した事業展開

第二章 0から1を創り出す空間再生流通企業/河野貴輝

 ティーケーピーのビジネスの現況

 創業の経緯とビジネスモデル

   試練その1 リーマン・ショック

   試練その2 東日本大震災

 動脈ビジネスから静脈ビジネスへ

 空間再生利用・コンバージョンの事例

 当社が大切にしていること

 今後の可能性

第三章 “なくてはならぬ”、世界変えるウェブサービス/金谷元気

 ビジネスモデルと特徴

 サッカー選手から起業家への道

 クレームから生まれた経営理念

 空き駐車場にビジネスチャンスを見出す

 プレゼンイベントで優勝

 ビジネスの現状

 近年は法人利用が増加

 MaaS時代の一翼を担う

第四章 ワンコインの子育てシェアが社会を変える!/甲田恵子

 起業のきっかけ1

 日本社会の抱える課題

 起業のきっかけ2

 事業モデル

 「ママサポ」「シェア・コンシェルジュ」とは

 世界で唯一のビジネスモデル

 手数料を取らない独自の謝礼ルール

 共助ネットワーク拡大に向けた取り組み

 「子育てシェア」の具体例

 AsMamaの運営体制

 企業・市民団体との協働事例

 自治体協定締結による協働事例

 自治体との協働による既存の公共サービスとの連動

 今後の展望

 【質疑応答】

第五章 発想とITで人々の日常にワクワクを/天沼聰

 私の経歴

 ミッションと事業内容

 「エアークローゼット」のサービス

 データや数字を駆使する

 様々なコラボのかたち

 お客様からの反応が励み

 その他の事業

 今後の事業展開

 私たちが提供する価値について

 シェアリングエコノミーで重要なこと

パート2 中国ニューエコノミー編

第一章 中国ニューエコノミーの衝撃/大前研一

 今、中国で何が起こっているのか?

 中国経済発展の推移

 拡大する中国のニューエコノミー市場

 中国政府が定義する「三新経済」とは

 ニューエコノミーの担い手であるユニコーン企業が爆発的に増加中

 産業の高度化を狙う「中国製造2025」

 AIを経済成長の推進力とする「AI2030」

 「世界の工場」から「イノベーション」へのモデル転換

 中国でニューエコノミーが成長した五つの要因

 政府の適切な産業政策・規制のコントロール

 中国の主なイノベーション都市

 ユニコーン企業に影響を与えている「BAT」三社

 次世代を担う「TMD」

 中国ニューエコノミーの事例

 中国ニューエコノミーの問題点

 日本は中国のニューエコノミーにどう対応すればよいのか

第二章 中国発ユニコーン企業の最前線パク・ジュンソン

 レジェンド・キャピタルの紹介

 ファンド組成額の推移

 中国ユニコーン企業の現状

 主要業界における代表的ユニコーン企業

 全ユニコーン(一八四社)のCEOの分析

 中国ユニコーン企業が出現した背景と要因

 中国ユニコーン企業の成長とその意義

 中国ベンチャー市場で連続起業家のアドバンテージが拡大

 中国スタートアップ企業のグローバル展開が加速

 次世代のユニコーン企業も中国に存在する

 【質疑応答】

第三章 中国経由、アジアナンバー1の動画メディアへ/森川亮

 経営陣の略歴

 C Channelのサービスイメージ

 二大事業「メディア」と「eコマース」

 自社の強み

 メディア事業(C CHANNEL)

 eコマース事業

 C Channelの海外展開

 中国での展開

 中国でのKOLスカウトと育成

 パートナー企業とのシナジー

 レジェンド・キャピタルとのシナジー

 日本のスタートアップ企業へのアドバイス

 「成功事例がない」からこそ挑戦すべき

 【質疑応答】