野村克也、「野村再生工場」を語る

野村克也、「野村再生工場」を語る

人間再生の極意とは、一つの言葉と本人の「気づき」にある。
それだけで人は変わる。

言わずと知れた「野村再生工場」はどのようにして誕生したのか。
本書は、野村監督が選手たち一人ひとりにかけた心に響く「言葉」を余すことなく語りつくす一冊である。

「野村克也」という“野球人”は、日本のプロ野球の世界で、選手として、また監督として、燦然と輝く数字を残した。
しかし、この野球人はその記録以上に、私たちの心にメッセージを残してくれた。
野球で培った洞察力、想像力の大切さと言葉が持つ重要性について語り続けたのである。

その数々の言葉、ときにつぶやく“ボヤキ”を目にすると、決して戦略だけでない、監督の愛情あふれる思いが伝わってくる。
多くの選手が生まれ変わることができた、その驚くべき手腕の秘密がここにある!

※本書は、角川書店から刊行された、野村克也著『野村再生工場 ~叱り方、褒め方、教え方~』(2008年8月刊)と、『野村ボヤキ語録 ~人を変える言葉、人を動かす言葉~』(2011年1月刊)の復刻版(一部)である。

四六 判( 312 頁)
ISBN: 9784833423908

2020年10月30日発売 / 1,430円(税込)

[著]野村 克也(のむら・かつや
1935年、京都府生まれ。54年、京都府立峰山高校卒業。
南海ホークス(現ソフトバンクホークス)へテスト生として入団。MVP5回、首位打者1回、本塁打王9回、打点王7回、ベストナイン19回などの成績を残す。
65年には戦後初の三冠王にも輝いた。70年、捕手兼任で監督に就任。73年のパ・リーグ優勝に導く。後にロッテオリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)、西武ライオンズ(現埼玉西武ライオンズ)でプレー。80年に現役引退。
通算成績は、2901安打、657本塁打、1988打点、打率.277。90~98年、ヤクルトスワローズ監督、4回優勝。99~2001年、阪神タイガース監督。06~09年、東北楽天ゴールデンイーグルス監督を務めた。
「生涯一捕手」が座右の銘。

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目次

野村再生工場 ~叱り方、褒め方、教え方~

第一章 弱者を強者にするために

 なるべく教えるな/目標を自ら考えさせる/長谷部にもシュートをマスターさせる/マーくんよ、ストレートを磨け/エースとしての自覚/欲から入って欲から離れる など

第二章 楽天的、意識改革

 フロントの意識改革/アスレチックスとレッドソックスの強さの秘密/エースを獲ってくれ/エース候補・田中/山﨑を誤解していた私 など

第三章 再生の極意は気づきにあり

 野村再生工場/自己限定を捨てさせ、自信を与える/鉄平/シュートで開眼した川崎/闘争心が生んだ荒木の復活/考える力を身につけた小早川/何も考えていなかった山﨑 など

第四章 弱い組織を再生させる

 面接/選手の気持ちが監督から離れている/田尾監督の解任/仙台の新しい球団という魅力/弱いチームを強くするのが生きがい

野村ボヤキ語録 ~人を変える言葉、人を動かす言葉~

第一章 やる気を引き出す言葉

 「おまえはおれと似てるなあ」/指導の第一歩はやる気を引き出すこと/「来年はおまえに期待している」/「おまえ、ピッチャーやりたくないか」?/「この試合はおまえに任せた」/「わしは腹をくくった」 など

第二章 気づきを与える言葉

 おのれを知ることの大切さ「/不器用に徹すれば最後には勝つ」/間違った努力をさせてはいけない「/コントロールで20勝せい」/「シュートをマスターせよ」/「すべて内角ストレートで勝負せよ」 など

第三章 やさしい言葉をかけるだけが愛情ではない

 ほんとうの愛情とは「/おまえ、八百長しとらんだろうな」/「新到三年、皓歯を見せず」/士は己を知る者のために死す/「ブンブン丸を封印しろ」 など

第四章 ほめてやらねば人は動かじ

 叱って育てるからこそわかる、ほめることの大切さ/本人の評価より少し上の評価をする/短い言葉でさりげなく/間接的に伝える/中心選手の自覚を持たせたことで変わった古田/タイミングを逃すな