M&Aを成功に導くPMI

M&Aを成功に導くPMI
事例に学ぶ経営統合のマネジメント

事例に学ぶ経営統合のマネジメント。統合のシナジーを実現し、会社を成長させる。
ポストM&Aのプロセス。

四六 判( 248 頁)
ISBN: 9784833450713

2015年06月15日発売 / 1,650円(税込)

[著]三宅 卓(みやけ すぐる)
株式会社日本M&Aセンター 代表取締役社長1952年神戸市生まれ。日本オリベッティを経て、1991 年に株式会社日本M&Aセンターの設立に参画。数百件のM&A成約に関わり、陣頭指揮を執った経験から、「中小企業M&Aのノウハウ」を確立し、品質向上と効率化を実現。同社において営業本部を牽引し、2006年のマザーズ上場、2007年の東証一部上場に貢献した。中堅・中小企業のM&A実務における草分け的存在であり、テレビ東京系「カンブリア宮殿」「WBS(ワールドビジネスサテライト)」をはじめとするメディアで活躍するほか、経験に基づくM&Aセミナーは毎回好評を博している。2008年より現職。主著に『会社の買い方教えます。』『会社・社員・お客様 みんなを幸せにするM&A』(ともに、あさ出版)、『会社が生まれ変わるために必要なこと~M&A「成功」と「幸せ」の条件』(経済界)など。「ポストM&A」に関する著書は本書が初となる。

目次はこちら(クリックで開きます)

目次

はじめに

序章 PMIがM&Aを成功させる――会社の譲渡・買収のあと、いかに統合作業を行うか

M&Aに成功する企業・失敗する企業

いかに統合のシナジーを生み出すか
PMIはM&Aの実行段階から始まっている

M&Aの成果を最大化するPMI

統合を支援するマネジメント
子会社に派遣した社員の成長
統合企業を成長させるPMIのメソッド

第1章 戦略的M&AとPMIの進め方――リバーサイドによる新総企とマオスの統合

買収した会社の企業価値を高める

PMIを成功させる3つのポイント
変革推進チームを編成する
チームで課題を検討する

社員の意識を改革する

新しい習慣をつくる
ビジョンを策定する
コストセンターの意識を変える
社員の行動を変える

新総企とマオスの統合

相乗効果のある企業を求めて
グループとしての人事を行う
譲渡企業の社長が買収企業の社長を兼務
両社の幹部で泊まり込みの合宿を行う

営業スタイルの違いがシナジーを生む

地方のノウハウと東京のノウハウ
新しい管理システムを導入する
さらに営業体制を強化する

第2章 アメリカの先進ノウハウに学ぶPMIの手法
 ――ファーストビジットとデューデリジェンス

ファーストビジットがすべてを決定する

経営者の人間性や経営哲学を知る
譲渡企業の経営者に「謙虚」に向き合う
経営に対する情熱を共有する
セカンドビジットで判断材料を増やす

デューデリジェンスから調印式まで

譲渡企業へ「期待」を伝える
売り手のオーナーの心情を理解する

第3章 PMIを実行する「100日プラン」――M&Aの成立後100日間に取り組む7つのテーマ

「100日プラン」で進める7つのテーマ

細かく進捗を確認しながら進む

キーマンのもとで事業計画を実行する

社長と財務責任者は適任か
戦略計画の策定とインテグレーターの役割

事業計画を立案する

計画に「リズム感」をもたせる
KPIでプロセスを管理する

全従業員とコミュニケーションをはかる

ディスクローズはやり直しがきかない
ポジティブな変化を積極的に伝える
お互いの企業文化を理解する

ガバナンスの確認と引継ぎの終了

現場で問題が発生しない仕組みをつくる
新総企とマオスの100日プラン

第4章 業界再編が進むなかで調剤薬局業界のケース
 ――メディカルシステムネットワークとトータル・メディカルサービス

いままさに再編が始まった調剤薬局業界

本格化する業界再編
中小薬局の抱える悩み
中小薬局が自らM&Aに動く

北海道と九州の薬局グループの統合

北海道で創業し全国展開へ
オーナーの健康不安から始まったM&A
在宅の薬剤管理事業のノウハウ
九州に店舗ドミナントが形成された

事業統括本部がPMIを推進

PMIの専門チームを編成する
全国1000店舗以上を統合

企業文化を統合する仕掛け

幕末体制――ゆるやかな統合
全店舗対象のコンテストで一体感を醸成
融和をはかるためのイベント

第5章 シナジーをいかに生み出すか〈自動車用品販売業界のケース〉
 ――イエローハットとドライバースタンド

積極的なM&Aで本業を強化する

縮小する市場で戦うために
掃除の文化から始まった社風
「選択と集中」で復活を果たす

買収する企業へのアプローチの仕方

積極的な買収と売却
まず「譲れないこと」を聞く
「つくられた数字」に注意する

それぞれのメリットはどこにあるか

書い手企業は市場シェアを確実に高める
譲渡企業の社員の力を100%引き出す
相手は何にこだわっているか
得意分野に集中してもらう

親会社・子会社のシナジー効果

譲渡企業はスケールメリットを手に入れる
既存店の売上げが5%伸びた
斜陽産業はじつはおいしい
M&Aの成功を受けて追加買収を実施
店舗視察にはパンを持って

第6章 M&Aによって海外展開の可能性を拓く製造業のケース
 ――日本澱粉工業と朝日化学工業

M&A戦略によって海外に進出する

有望なアジア市場へ
海外企業を買収するメリットを考える

海外に進出している日本企業を買収する

タイに現地法人をもつ会社
後継者がいない
技術交流から関係を深める
「検討期間を1年間いただきたい」

売り手のメリット・書い手のメリットを最大化する

M&Aプロジェクトチームの立上げ
「いずれは海外」を現実にする
現地の制度や法律を知る
社員の意識がグローバルになる
タイに第三工場が完成

同族企業同士だから生まれるシナジー

オーナー経営者ならではの悩み
信頼関係がPMIの基本
20年で売上げ倍増へ
社長退任後の夢を描く
ステークホルダーすべてが幸せになるために

おわりに トイレからの教訓