一流の人はなぜ姿勢が美しいのか

一流の人はなぜ姿勢が美しいのか

「立つ」「座る」「歩く」「食べる」。
体を真っすぐにするだけで、人生と仕事が変わる。
日本人として一度は知っておきたい、世界に通用する礼法の真髄をこれ一冊で。

四六 判( 200 頁)
ISBN: 9784833450850

2016年01月29日発売 / 1,540円(税込)

[著]小笠原清忠(おがさわら・きよただ)
1943年小笠原流三十世宗家・小笠原清信の長男として東京・神田に生まれる。慶應義塾大学商学部卒業後、医療金融公庫(現・独立行政法人福祉医療機構)勤務。1992年小笠原流三十一世宗家を継承。現在、池坊学園客員教授、皇學館大学特別招聘教授、東京都学生弓道連盟会長、儀礼文化学会常務理事などを務める。全国で礼法指導を行い、各地の神社で「流鏑馬」や「大的式」「人生の通過儀礼」などを奉納。『入門小笠原流礼法』『小笠原流の伝書を読む』など著書多数。

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目次

はじめに

第1章 代々、将軍家に指南してきた「礼法」とは

武士が命がけで伝え継いできた呼吸法と体幹改善
四季の調和から生まれた「実用・省略・美」
「心正しく、体直く」すれば疲れにくい
この世には客で来たと思うべし
堂々とした人は攻撃されにくい
何歳からでも体の改善はできる
無理なく動けば体の痛みもなくなる
畳の縁は本当に踏んではいけないのか
型にとらわれず「時・所・相手」に合わせる
礼は平穏な暮らしをもたらす

第2章 立つ──まずは体を真っすぐにすることから

耳は肩に垂れ、顎が浮かず、襟がすかぬように
体構えの中心は腰にあり
正しい姿勢は「意識して行う」が肝要
骨の少ないところを鍛えると体は安定する
足は平行に踏み、左右均等に体重をかける
立ったとき、手を前に組むことなかれ
筋力不足が生む、悪い姿勢の典型とは
頭や胸にある意識を腹に下ろす
通勤電車では2本の足で正しく立つ

第3章 呼吸──息を整えれば日常が変わる

集中力が持続する武士の呼吸法
なぜ動作に呼吸を合わせてはいけないか
息を合わせれば、心も響き合う
真心が伝わるお辞儀「礼三息」
自然な呼吸でよどみなく動ける
正しい息で階段も平地のごとく上れる
いざという場面では、勢いをつけて吸う
息を整えれば、ゆれる心も即座に静まる

第4章 歩く──美しい歩みで体が軽くなる

歩くとは「後ろの足を前に出す」こと
腿で歩けば体はぶれない
1本の線をはさみ、足は平行に踏む
和服を着ていても内股では歩かない
後ろ足のかかとを上げないように注意
吐く息で一歩、吸う息で一歩
戸外では人の流れに合わせることも
手の小指にも意識を働かせて颯爽と
武士の歩行術に倣えば隙がなくなる
なぜ歩くだけで体は軽く、楽になるのか

第5章 座る ──仕事に役立つ凜とした所作

水の中に沈むように、煙が立ちのぼるがごとく
考えるのに一番よい姿勢は正座
畳の上にきちんと座れば足はしびれない
正しい跪座が身のこなしを優雅にする
静かな湖に石が沈んでいくように座る
風のない日に煙が立ちのぼるがごとく立つ
鼻緒のある履物で音を立てずに歩いてみる
椅子の座り方にも生きる武士の美学
上体を動かさず、静かに椅子にかける
足をそろえて動作すると美しく見える
足を組んでいいのは親しい間柄だけ
浅く腰かけることで姿勢は保たれる

第6章 一流店でも困らない和食の作法

礼は飲食にはじまる
食事風景で人柄がよく見える
食事前に手は合わせず、一礼して「箸構え」を
絶対に慎みたい箸使いとは
もてなす側は、客より先に器の蓋をとらない
蓋は手前から静かに開ける
食事はご飯をはさんで進める
目上の人より先に箸をとらない
腹八分目も作法のうち
相手に喜ばれる訪問、応接の作法
あいさつ、座布団のあしらい、手土産の扱い
正しい茶菓のいただき方

第7章 立ち居振る舞いでわかる、人の品格

礼とは行動に生きる心なり
物を持つときは全身を使う
大木を抱え、水が流れるがごとく
荷物は持っていないように持つ
あわてずゆっくり動くと優雅に見える理由
律する心を持つ人には気品が備わる
立ち居振る舞いでわかる人の信用度
ソファに深くもたれる人は虚勢を張っている
目の置きどころが人の内面を語る
「品格のある人」と言われるためには
「礼法で飯を食うな」という家訓は何のためか
日本人が忘れた作法を、外国人が絶賛する

おわりに