見抜く力

見抜く力

先の見えない時代、相手の本心や本当のようなウソの情報を「見抜く力」が求められている――。

情報のプロとして外交の最前線で活躍し、特捜検察にも屈しない交渉のプロである著者が、どんな相手や情報にもビビらずに、冷静に対処するための極意を伝授する。攻撃的な相手、足を引っ張ろうと近づいてくる相手にどう接すればいいのか。人を見極め、情報や数字を正しく読み取りたい人、わが子を他人や情報、常識に振り回されない大人に育てたい人は必読だ。

【はじめに より】
生き残ることが重みを増す時代には、人や情報の真偽や意味を見抜き、必要以上にびびらないこと、騙されないことが重要です。
日常的に新聞を読んだりニュースを見れば、断片的に情報を得ることはできます。しかしデータを集積するだけでは、ノイズが増える一方です。
見抜く力とは、事実を拾い上げて選り分け、点と線を繋げ、物語を構成する力でもあります。人の本質を見抜くにも、相手の発言そのものだけではなく、相手の利害関心や、表情、服装、持ち物や口癖などから、その人物の本質や意図をあぶりだしていく必要があります。本書でも強調しましたが、常時マスクを着用するコロナ禍においては、特に「目」が重要になってくると思います。

四六 判( 256 頁)
ISBN: 9784833451635

2021年01月19日発売 / 1,540円(税込)

[著]佐藤 優(さとう・まさる)
作家・元外務省主任分析官
1960年、東京都生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了。
2005年に発表した『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大矢壮一ノンフィクション賞受賞。『獄中記』(岩波書店)、『交渉術』(文藝春秋)など著書多数。

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目次

極意1 攻撃的な人の本音を見抜く

 「言い返す」「感情的になる」はNG

 厄介な嫉妬から身を守る方法

 相手の本音が見抜けない3つの理由

極意2 相手の情報が正しいか見抜く

 この質問で他人の嘘は見抜ける

 細部の綻びを見逃してはならない

 正しい情報は「人」が持っている

 ニコニコしながら近づいてくる「焼き畑型」人間

極意3 表情・服装・持ち物・口癖で人物を見分ける

 本心は目に表れる

極意4 常識に騙されない

 政府首脳ですら騙される

 不可解なメッセージはこうしてできあがった

 権威に対する信頼が目を曇らせる

 深層心理を操作する「錬金術師」

極意5 自分に騙されない

 合理的に判断したのに、大失敗する理由

 限られた情報の中で正しい選択をするには

 客観的でも公平でもないAIの判断に従ってしまう

極意6 数字に騙されない

 「日本人の読解力が急落した」は本当か

極意7 騙されていい場合もある

 「もったいない」根性が意欲に繋がる