[著]平松 洋子(ひらまつ・ようこ)
作家、エッセイスト。
1958年、岡山県倉敷市生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。
2006年『dancyu』連載「台所の時間」をまとめた『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。2012年『野蛮な読書』で講談社エッセイ賞受賞、2021年『父のビスコ』で読売文学賞受賞。「台所の時間」は連載20年を超え、現在も続いている。
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1 納豆の息切れ 味のはなしI
卵 ホントにそれでいいのか?
梅ジュース 酸っぱい日々がやってくる
ハネ出し 安い、うまい、楽しい!
粘る食べ物 いきなりうなぎにはなれない
ジャム 時間よ止まれ!
卵 No.2 巣ごもり卵の説得力
ボロネーゼ 久しぶりの腕まくり
干物煎餅 熱海であじの干物が
さきいか 宮廷料理オジンオチェ・ムチム
この素材、この一皿!〈パセリ〉
パセリカレー
パセリのためのポテトサラダ
2 お茶漬け事件簿 あの頃のはなし
無言の会話 「汚れっちまった悲しみに」
デパートの屋上 平日の昼下がりは
待つ まだ見ぬ時間の存在が
「できたよ」 そうだったか、お母さん
看板 ふらふらぁと引き寄せられて
築地市場 八十三年の歴史が閉じる時
焼きりんご 真冬の寒い台所で
ブルーウィロー 安西水丸さんのこと
この素材、この一皿!〈豚バラ肉〉
豚バラ肉の梅肉蒸し
豚バラ肉とたまごのナムプラー煮込み
3 貧乏なサラダ 台所のはなし
焙る 素っぴんの味がする
焦がす 「香ばしい」と「焦げ臭い」
食べ切る 私は無駄にしなかった
飯を干す さあ今夜はおこげ料理だ
寝かす きっと、いま以上のものになる
水を切る サラダの第一条件
先回りする 甘夏モンダイについて
この素材、この一皿!〈鶏肉〉
鶏むね肉ときゅうりの炒め物
4 缶詰にくちばし 道具のはなし
栓抜き 「シュポッ!」がある
空き缶 使い勝手がよろしくて
懐紙 風流なティッシュなんです
眼鏡 顔の一部とはいうけれど
引き出し ひっそりとした気配
縦書き、横書き ツバメノートB5判
バウルー 輝かしきリバイバル
この素材、この一皿!〈たまご〉
塩たまご
5 おさがりの大根 暮らしのはなし
鉢巻き 男っぷりをまとめ上げる
券売機 「さっさと決めろよな」
屋号 スナックには学ぶところ大
満席 「あちゃー」か「むふふ」か
上げ底 渡る世間は鬼ばかり?
験担ぎ きっとうまくゆく
お供え 鎮座ましまして
働く おにぎりは労働者の兵糧だ
この素材、この一皿!〈油揚げ〉
うず巻き串
6 チューインガムはほや 味のはなしII
ミックスジュース あの名前のつかない色彩
車内販売 旅情のツボを刺激される
合いの手 シウマイ弁当のアンズ
隠すおいしさ ナゼ茶碗蒸しは特別なのか
柑橘の皮 見捨てる気じゃないよね?
イタリアンパセリ はっきり言って小物だけど
煮こごり 冬の朝のワンダー
根っこ 生命力はしぶとい
この素材、この一皿!〈混ぜ麺〉
赤い混ぜうどん
おもしろきこともなき世をおもしろく
新しい日常のダイアリー
「新しい日常」を生きてゆく手立て
散歩の楽しみが戻ってきた
久しぶりの実家で母と会う
おしまいの立ち話