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はじめに
序章 激動の世を生き抜く知恵
一 かつてない危機に見舞われる世界と日本
二 「ピンチをチャンスに変える」好機とする
三 今の苦境を脱け出す「知恵」とは
四 欧米の知恵の限界を突破する現代版「和魂洋才」
第一部 日本の伝統社会が保持していた持続性の知恵
第一章 八項目にまとめられる日本の知恵
一 モノへの執着より精神的な豊かさや心の平安を重視していた(モノより心)
二 自然と同化し、自然との共生の精神を基盤としていた(自然との共生)
三 「足るを知る」自足の心と、「もったいない」精神をもっていた(足るを知る)
四 輪廻、循環思想が根づいていた(循環思想)
五 調和を大切にし、家族や地域などの集団の存続を重視していた(調和を保つ)
六 精神の自由を尊ぶ気風があった(精神の自由)
七 先祖崇拝や、先人を大切にすることで命や暮らしをつないでいた(先人を大切にする)
八 教育の価値を認め、次世代を愛し育てることに熱心だった(次世代を愛し育てる)
第二章 持続性の知恵を育んだもの
一 学びのなかの持続性の知恵
(1)江戸の学びにみる持続性の知恵
(2)江戸時代の学びの概要
(3)労働の場での学び
(4)地域や家庭での学び
二 風土と暮らしに見る持続性の知恵
(1)日本人の感性や価値観を育んだ風土
(2)風土で育まれてきた日本人の「暮らし」
(3)日本の風土や暮らしに見る持続性の知恵
第二部 伝統的知恵と近代との葛藤
第三章 江戸時代生まれの代表的知識人は西洋文明にどう向き合ったか
一 西洋文明の流入
二 福沢諭吉(一八三五~一九〇一年)の場合
(1)開化期の最も秀でた西洋文明の解説者・導入者
(2)諭吉は西洋文明に何を見たか
(3)なぜ、西洋文明を日本が進むべき文明のモデルとしたのか
(4)日本の伝統的教養の価値をどう評価したか
三 田中正造(一八四一~一九一三年)の場合
(1)封建時代から近代への脱皮に生涯を捧げた男
(2)正造は西洋に何を見たか
(3)正造は伝統的知恵をどう見たか
四 夏目漱石(一八六七~一九一六年)の場合
(1)西洋と日本の違いを問い続けた作家
(2)漱石は西洋文明に何を見たか
(3)漱石は日本の文明開化をどう批判したか
(4)漱石は日本の伝統文化をどう評価していたか
第三部 今こそ知恵を活かした社会へ
第四章 現代に息づく日本の知恵
一 企業経営に生きる先人の知恵
二 もっと早くに真剣に受け止めるべきだった賢人の知恵
第五章 現代に生きる伝統の知恵
一 モノより心
(1)長野県伊那市長谷地区における中尾歌舞伎復活の場合
(2)心の豊かさと不便性の追求―― 森ファームサービスの場合
一 モノより心
(1)長野県伊那市長谷地区における中尾歌舞伎復活の場合
(2)心の豊かさと不便性の追求―― 森ファームサービスの場合
二 自然との共生
(1)コウノトリとともにはばたく豊岡市民の場合
(2)佐渡の伝統的放牧の場合
三 足るを知る
利益より持続性を求める―― 向山塗料の場合
四 循環思想
「循環」の精神と近代技術の結合―― 川崎エコタウンの場合
五 調和を保つ
エコヴィレッジ運動の実践―― 小舟木エコ村プロジェクトの場合
六 精神の自由
からくり技術を現在に活かす―― NECアクセステクニカの場合
七 先人を大切にする
家康公に学ぶコンパクトな街づくり―― 静岡市の場合
八 次世代を愛し育てる
(1)子どもたちの心に「地域への誇り」を耕す―― 伊那市長谷学校給食での地場産物の活用
(2)日立プラントテクノロジーの技能五輪への挑戦
終章 現代に活かす三つのキーワード
心の豊かさ――生きることを楽しむ
つながり――他との関係を取り戻す
理に沿う――地球が有限なことを忘れない