「いっしょに働きたくなる人」の育て方

「いっしょに働きたくなる人」の育て方
マクドナルド、スターバックス、コールドストーンの人材研究

この店で働いた若者は、 なぜ就活戦線で負けないのか

日本マクドナルド、スターバックス コーヒー ジャパン、コールド・ストーン・クリーマリー・ジャパン。そこで行われているアルバイトの採用と育成に関する仕組みは、大量の人材を短期間のうちに即戦力として育て上げるための工夫が随所に見られ、外食チェーン以外の接客アルバイトはもちろん、正社員、特に20代の若手の採用や育成にも大きなヒントを与えてくれます。

アルバイト経験が若者にもたらす豊かな可能性を論じる一方で、彼らを育てる企業のノウハウを通じて「経験+触媒」のセットをどうやって作っていけばいいのか、理論と実例を引きながら、あらゆる組織に応用するための方策を解説。

四六 判( 176 頁)
ISBN: 9784833491181

2010年05月17日発売 / 1,650円(税込)

[著] 見舘好隆(みたけ・よしたか)
北九州市立大学キャリアセンター准教授。1967年京都府京都市生まれ。関西大学文学部卒業後、旅行会社やインターネットプロバイダにて人事や販売促進を15年間経験したのち、首都大学東京キャリアカウンセラー、一橋大学大学院社会学研究科キャリアデザイン担当特任講師を経て現職。経営学修士。国家資格・2級キャリア・コンサルティング技能士。元リクルート ワークス客員研究員。専門分野は若年者のキャリア形成支援。研究テーマは授業や課外活動におけるコンピテンシーやジェネリックスキル習得など。

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目次

はじめに

1章 つまらない授業に出るなら接客バイトに精を出せ

「多様な人たちと協働する力」は授業では磨けない
接客アルバイトが若者を成長させる
基礎力とは「社会で働くために必要な力」

2章 採用から社員登用まで、「若者が育つ」3社の仕組み

1. 日本マクドナルド

マクドナルドの仕事はマックジョブではない
メンターと二人三脚で自発的にスキルを習得する
クルーにも開かれているハンバーガー大学

2. スターバックスコーヒー ジャパン

ハードルが高いコーヒーを淹れるスキル
バリスタ以降も多方面に広がるキャリアの階段
グリーンエプロンに対する誇りが人を育てる

3. コールド・ストーン クリーマリー・ジャパン

お客様を幸せな気分にさせる仕事
オーデション形式の採用選考会
スキルの習得より重視される企業理念の浸透

3章 若者を成長させる「経験と触媒」

インタビューからわかった13個の触媒

(1)お気に入りの場所で働きたいという「憧れ」
(2)将来を見越した「成長意欲」
(3)一緒に働こうという仲間の「歓迎」
(4)顧客だった頃の「自分との戦い」
(5)最初は「徒弟制」で育ててくれる
(6)「儀式」を通じてクレドを理解させる
(7)仲間が「ライバル」になって切磋琢磨する
(8)「接点の工夫」を自ら行わせる
(9)自分の役割と仕事に対する「誇り」を意識させる
(10)「メンタリング」でじっくり育てる
(11)この人のようになりたいという「目標」がある
(12)正社員にもなれる「社内の階段」
(13)夢の実現としての「社外の階段」


4章 どんな組織にもあてはまる「人材育成の黄金則」

1.「上司や同僚」が生み出す触媒

憧れを生み出すRJP
「叱る」と「褒める」の絶妙なバランスを

2.「顧客」が生み出す触媒

カウンターの向こうにいた自分を忘れさせない
多様な顧客との接触が人を磨く

3.「仕事」が生み出す触媒

支えがあれば失敗してもへこたれない
手取り足取りと適度なほったらかし

4.「教育プログラム」が生み出す触媒

白紙の状態から一体感を醸成する
イニシエーションとしての新人研修

5.「個人のキャリア感」が生み出す触媒

お金以外の働く目的を設定できるか
退職後も「胸を張れる」経験を

5章 「四方よし」のすすめ

接客バイトは未来の社員であり顧客である
自然乾燥木材をつくろう
バイト経験に修了証を与えよう

謝辞

編集者から

参考・引用文献