日本海軍の戦略発想

日本海軍の戦略発想

SOLDOUT

元連合艦隊参謀(海軍中佐)による名作が甦る。
その軍歴のすべてを連合艦隊だけで送り、参謀として敗戦を迎えた著者が怜悧に分析する「なぜ、日本海軍は敗れたか」。欧米の歴史家の間で、その英文コピーが珍重され、数々の問題作に引用された、幻の『チハヤ・リポート』。好評名著、決定版の復刊!

四六 判( 320 頁)
ISBN: 9784833419017

2008年12月10日発売 / 1,676円(税込)

[著]千早正隆(ちはや・まさたか)
元連合艦隊参謀、海軍中佐。明治43年(1910)生まれ。昭和5年海軍兵学校卒業(第58期)。戦時中は戦艦武蔵高射長、第 11戦隊参謀を経て、昭和19年海軍大学校を卒業し、第4南遣艦隊参謀、ついで連合艦隊参謀として敗戦を迎えた。戦後は海軍省史実調査部員、・GHQ・戦史室調査員として戦史の調査に携わる。また、東京ニュース通信社に入社し、同社常務取締役(編集担当)なども務めた。平成17年(2005)2月、逝去。
著訳書に『日本海軍の驕り症候群』『ミッドウェーの奇跡』『トラ トラ トラ』など多数。日本海軍の戦略発想。

目次はこちら(クリックで開きます)

目次

千早さんのこと──解説に代えて 半藤一利

まえがき

本文

緒論


第一部 本海軍の対米戦争に関する判断

1.日本海軍の仮想敵は米国海軍
2.日米戦争に関する研究
3.戦術面のみに目が奪われた
4.不備だらけの日本海軍の戦務
5.大局を忘れた日本海軍の戦備
6.陸海軍協同の不完全
7.戦争についての各種判断の誤り

第二部 戦争はかく実証した

1.ハワイ海戦の戦訓
2.日本海軍の小手先芸
3.小手先芸の限界
4.あと一カ月あったなら
5.馬鹿の一つ覚え
6.偵察、索敵の軽視
7.追撃戦の宿命
8.慢心と増長の悲劇
9.美辞麗句が多くなった作戦命令
10.用法を誤った潜水艦戦と時代遅れの対潜作戦
11.補給戦に敗れた
12.誤った作戦で犠牲になった設営隊
13.軽視した情報、防諜のとがめ
14.甘かった人事管理

第三部 総まとめ

1.後手、後手となった作戦計画
2.完敗に終わった「あ」号作戦と「捷」号作戦
3.水上部隊の悲惨な最期
4.マクロ的な考え方と総合性の欠如
5.物量の差だけではなかった
6.教育に根本の原因があった

※新版の刊行にあたり、旧版(初版刊行、昭和57年〔1982〕)の明らかな誤植等は正しましたが、基本的に著者の語法・表記法を尊重しました。また、(注)などを付け説明を加えたところもあります。