命を守る防災・危機管理

命を守る防災・危機管理
その瞬間、生死を分けるもの

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大雪、土砂災害、火山噴火……災害から何を教訓とするべきか?

2012年の安倍政権発足より内閣府副大臣として、経済財政政策などとともに防災対策を担当してきた筆者。
2014年8月の広島土砂災害など最前線で指揮を執ってきた経験から、災害に対する日頃からの備えや、被災した時の心構えなどを説くリアルな防災レポート。

四六 判( 248 頁)
ISBN: 9784833421164

2014年12月24日発売 / 1,045円(税込)

西村康稔(にしむら・やすとし)

昭和37年10月15日生まれ、兵庫県明石市出身、神戸大学附属明石中学校、灘校、東京大学法学部卒業。
通産省入省後、米国・メリーランド大学公共政策大学院で国際政治学を学び修士号。平成11年通産省調査官を退官後、15年衆議院議員総選挙において初当選。以後連続当選、20年外務大臣政務官、21年自民党総裁選挙に立候補。以降党政調副会長、経産部会長、財金部会長、党改革実行副本部長、選対本部事務局長等を歴任。現在、内閣府副大臣として経済再生、経済財政政策、社会保障税一体改革、健康医療戦略、TPP、防災、PFi、NPO等を担当。2014年8月には広島土砂災害政府現地対策本部長として現地で陣頭指揮を執る。
著書に、『繁栄か衰退か 岐路に立つ日本』(プレジデント社)、『新(ネオ)ハイブリッド国家 日本の活路』(スターツ出版)、『リスクを取る人・取らない人』(PHP研究所)、『生き残る企業・都市』(同文書院)、『国家の生命線』(PHP研究所)などがある。

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目次

はじめに……大災害からの教訓

chapter1 ドキュメント 広島土砂災害
~現地対策本部長独白 その時、現場で何が起こっていたのか

未明の大都市を襲った集中豪雨と土砂災害
ぜい弱な土壌とバックビルディング現象
現地対策本部長として広島へ
行方不明者の名前の公表を検討
TEC―FORCEと現場調査
被災者の生活の場を確保~ワンストップ窓口で
被災者台帳~一人一人のカルテ
安倍総理の被災地訪問~被災者の生活再建を加速
慎重論を押し切って重機導入を決断
行方不明者の公表に踏み切る
「被災者支援チーム」「土砂災害応急復旧会議」立ち上げ
柔軟な対応をしてくれた環境省
災害廃棄物の最終処分地
激甚災害について
対策本部を県庁から市役所に移動~被災者の生活再建を重視
自衛隊が被災者のために仮設浴場を設置
被災者Oさんとの約束
[コラム]見たこともない巨石・巨岩  ……ほか

chapter2 御嶽山噴火
~忘れた頃に……。予知の限界知る

登山初心者にも親しまれた山で起こった悲劇
予知が難しい「水蒸気噴火」
世界有数の火山国日本~死火山はなくなった
火山専門家の絶対数が足りない
過去の火山災害
火山防災を強化する
噴火に備える
◆桜島(鹿児島県)
◆阿蘇山(熊本県)
◆富士山(山梨県/静岡県)

chapter3 大雪対策
~平成二六年豪雪現地対策本部長として

犠牲者の70パーセントが雪下ろし作業中
孤立集落を解消する
除雪の優先順位
「孤立集落」と「自主的滞留」
車の立ち往生対策
車を強制的に撤去する
SNSの活用
氷の壁で堤防をつくる
農業被害への支援
商工業者支援を考える

chapter4 地震と津波にどう備えるか
~とにかく“逃げる”

首都直下地震

南海トラフ巨大地震

日本海地震

chapter5 竜巻の脅威
~日本でも当たり前に

日本の竜巻被害
藤田スケール
竜巻を監視する「スポッター」
悩ましい被災者生活再建支援法の適用

chapter6 病院船(災害時多目的船)を考える
~1人でも多くの命を救いたい 海からのアプローチ

病院船とは何か
我が国における病院船の歴史
アメリカの病院船「マーシー」視察
他の先進国の病院船
災害医療と病院船  ……ほか

chapter7 危機管理組織の在り方
~災害時の対応能力を強化する

危機管理組織の在り方の検討
現行の体制
米国FEMAのような組織が必要か
国と地方自治体の連携強化を図る
自衛隊、警察、消防の連携~捜索救助活動の円滑化のために
内閣府防災の人材の強化
自治体の首長、防災担当者の意識向上
複合災害への対応
標準化の必要性

(参考1)各国の危機管理組織の概要
(参考2)内閣府防災とFEMAの比較
(参考3)災害訓練施設「ディザスター・シティ」

あとがき

参考文献