新装版 真田幸村

新装版 真田幸村
「弱者」の必勝戦術ここにあり

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わずか約2500の軍勢で3万8000の徳川大軍を翻弄し退けた知謀の男とは何者だったのか!?
名著者たちの論考でその実態に迫る、「日本一(ひのもといち)のつわもの」を読み解くためのアンソロジー。

四六 判( 208 頁)
ISBN: 9784833450843

2015年12月18日発売 / 1,540円(税込)

[著]江坂 彰(えさか・あきら)
1936年、京都府生まれ。京都大学文学部卒業。東急エージェンシー関西支社長等を経て、84年に独立し『冬の火花――ある管理職の左遷録』で作家としてデビュー。著書に『冬の時代の管理職』『人材殺しの時代』『エリート冬の時代――古い忠誠心から新しい忠誠心へ』『新・和魂和才――ゆるやかで美しい成熟戦略』『歴史に学ぶ人間学――「逆風の時代」を生き抜く知恵とは』『心軽やかに老いを生きる』『50代でしておくべきこと してはならぬこと』ほか、共著に『撤退戦の研究』『信長 秀吉 家康――勝者の条件 敗者の条件』など。

[著]白石一郎(しらいし・いちろう)
1931年、釜山生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。57年『雑兵』で第10回講談社倶楽部賞を受賞して文筆生活に入る。87年『海狼伝』で第17回直木賞を受賞。著書に『幻島記』『島原大変』『蒙古の槍――孤島物語』『サムライの海』『海峡の使者』ほか。

[著]百瀬明治(ももせ・めいじ)
1941年、長野県生まれ。京都大学文学部卒業。『表象』同人、季刊『歴史と文学』編集長を経て、歴史を主対象とした著述業へ。著書に『日本型リーダーの魅力』『日蓮の謎』『大実業家・蓮如――親鸞を継ぎ日本最大の組織を創った男』『開祖物語』『名僧人物伝――日本的発想の研究』『信玄と信長 天下への戦略』『軍師の研究――将を支え、組織を活かす』『「適塾」の研究――なぜ逸材が輩出したのか』『ブレーンの力――武将の戦略を支えた名僧たち』ほか。

[著]土門周平(どもん・しゅうへい)
1920年、東京都生まれ。陸軍士官学校卒業(第55期)。戦車師団中隊長で終戦。防衛研究所戦史編さん官等を経て、著述業へ。著書に『最後の帝国軍人』『日本国家分断』『参謀の戦争――なぜ太平洋戦争は起きたのか』『勝者と敗者の判断――戦国武将にみる興亡の岐路』『戦う天皇』、訳書に『真珠湾は眠っていたか』ほか。

[著]南原幹雄(なんばら・みきお)
1938年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。日活に勤務。75年退社し、作家生活に入る。73年『女絵地獄』で小説現代新人賞受賞。81年『闇と影の百年戦争』で吉川英治文学新人賞受賞。著書に『鴻池一族の野望』『暗殺者の神話』『御三家の犬たち』『北の黙示録』『神々の賭け』『覇者の決まる日』『御三家の黄金』『暗殺剣』『天地燃える』ほか。

[著]滝口康彦(たきぐち・やすひこ)
1924年、長崎県生まれ。高等小学校卒業。以後独学。郵便局集配員、運送会社事務員、兵役約1カ年、炭鉱鉱員などを経て、ラジオドラマ小説の懸賞当選を機に文筆業となる。直木賞候補6回。著書に『薩摩軍法』『拝領妻始末』『葉隠無残』『恨み黒髪』『主家滅ぶべし』『悪名の旗』『粟田口の狂女』ほか。

[著]新井英生(あらい・ひでを)
1933年、大阪府生まれ。早稲田大学文学部中退。文芸通信社記者を経て、文筆活動に入る。56年松竹大阪演劇制作室募集脚本に『おらんだ西鶴』入選。80年第10回池内文学奨励賞受賞。著書に『新選組の虚像と謎――幕末動乱を“誠”に殉じた男の軌跡』『実説元禄忠臣蔵』『明治幻奇伝』ほか。(掲載順)

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目次

序 功名心を捨てよ。人はそこについてくる○江坂 彰


第一章 「日本一のつわもの」真田幸村○白石一郎

ふしぎな「英雄」幸村/石田三成からの「密書」/父親と二人の息子/野望に燃える父とともに/上田城攻防戦での大殊勲/信之の嘆願で九度山へ流罪/老いる父親を見つめつつ/外柔内剛の常識家/秀頼からの使者/大坂城への入城/討死は覚悟のうえ/「稀代の横着者」の子として/与えられた「日本一のつわもの」の名

第二章 「戦争芸術家」の悲愴なる闘い○百瀬明治

「大坂夏の陣」最後の決戦/“悲劇の名軍師”真田左衛門佐/春日山から大坂への“人質”生活/神出鬼没の真田戦法/雌伏14年目に届いた至上の朗報/将に人なく兵は雑軍/退けられた幸村の積極作戦/討死は必至、されど/「真田丸攻防戦」での大勝/裸にされた大坂城/秀頼出馬の期待も空しく

第三章 「大坂夏の陣」一点集中突破の威力○土門周平

難攻不落の名城/豊臣譜代と応募浪人組/決戦地区をどこに選定すべきか/隘路進出に乗ずる案/五十人単位の斬り込み隊/幸村の真骨頂/奇想天外な浸透戦法

第四章 「不惜身命」六連銭の気概○南原幹雄

真田日本一の兵/真田一族の出自/武田に与する/六連銭の旗印の意味/武田氏の滅亡/昌幸、信玄の衣鉢を継ぐ/上田城の合戦/秀忠を上田城に釘づけ/燃ゆる六連銭

第五章 「表裏比興の雄」真田昌幸○滝口康彦

「表裏比興」は乱世の宿命/父「鬼弾正」幸隆から学んだもの/足軽大将・昌幸、川中島へ出陣す/真田の運命を変えた武田の滅亡/服属の変遷史に見る弱者の表裏/要害・上田城、完成す/上田城で三河衆の精鋭を迎撃/『三河物語』の記録/石田三成の挙兵と昌幸の選択/父と子が東西に袂を分かつ/秀忠、関ヶ原に参陣できず/信幸の命を賭した助命嘆願/昌幸、九度山に死す

第六章 上田城守備戦と「詭計」「謀略」○新井英生

敵味方に分かれた父子兄弟/秀忠軍三万八千到来す/詭計にはまった秀忠軍/真田と信濃忍者「突破」/巧妙な奇襲戦法/「楠木流」の戦法を駆使/袋のネズミとなった真田軍/昌幸・幸村、敵本陣を襲う/「秀忠軍」神川合戦の二の舞い/ついに「関ヶ原」に遅れた秀忠

【附録】

真田氏系図
大坂冬の陣布陣図
大坂夏の陣布陣図
上野・東信濃地図
信州・上田への旅 真田幸村を訪ねて――六連銭のふるさとめぐり
真田氏 年表