[著]丸太たぼ吉(まるた・たぼきち)
1986年、福岡県北九州市生まれ。2005年、福岡大学入学後から執筆活動を始める。その一方で友だちはなかなかできず、勉強にも身が入らず、3年の夏休み前に自主退学。本人曰く、生まれて初めて自分で決めた人生の選択だった。しかし自由を得た開放感は長く続かず、元同級生が卒業後次々と会社に就職していく姿を見てひどく落ち込むと同時に急に将来に不安を覚える。その頃から本書の原型である小説『やさしい殺し屋さん』を書き始め、唯一知っていた編集者に原稿を送ったところ、新聞配達を休むことなく1年間続けながら原稿を書き直すことができたら前向きに考えよう、と言われる。11年秋から1年間福岡市城南区で朝夕新聞配達をしながら改稿を続け、その姿に編集者が心動かされ出版にいたる。