上海、かたつむりの家

上海、かたつむりの家

中国人でさえ「太事実了!(あまりにリアルすぎる!)」と驚愕した大ベストセラー小説!

貧富の拡大、拝金主義、住宅問題、官僚の汚職、ローン地獄……。上海を舞台に中国人男女4人の、可笑しくてやがて切ない夢と希望と現実を、100%リアルに描く、かつてない問題作。

四六 判( 448 頁)
ISBN: 9784833420211

2012年08月31日発売 / 2,090円(税込)

[著者]

六六  Liu Liu

現代中国を代表する女性ベストセラー作家。中国安徽省出身。
大学卒業後、貿易会社に1年勤務後、職を転々とする。1999年夫の留学に伴いシンガポールに移住。幼稚園に勤めながら小説を書き始める。2007年12月本書の初版(原題「蝸居」)を出版。「蝸居(かたつむりの家)」とは「狭すぎる住宅」の意味。地方出身の若い大卒夫婦が大都市で住宅を買おうとしてローン地獄に陥る姿を、貧富の拡大や官僚の汚職、拝金主義や愛人問題など、現代中国が抱える矛盾とともに赤裸々に描き大ベストセラーとなる。09年にはテレビドラマ化され、北京で放映、高視聴率を記録し社会現象を化す。その他の作品に『王貴と安娜』『両面テープ』、最新作に『心術』など(いずれも未邦訳)。現在は6歳になる長男と上海で二人暮らし。


[訳者]

青樹 明子  Aoki Akiko

ノンフィクション作家、中国ラジオ番組プロデューサー。
早稲田大学第一文学部卒業。同大学院アジア太平洋研究科修了。大学卒業後、テレビ構成作家、舞台等の脚本家を経て企画編集事務所を設立。ノンフィクション作家として世界数十カ国を取材。1998年より中国国際放送局にて北京向け日本語放送パーソナリティーを務める。北京哈日族(日本ファン)を生み出す原動力ともなった「ミュージックステーション」(中国名・音楽網站)の番組制作・アンカー・パーソナリティー。2005年より広東ラジオ「東京流行音楽」、06年より北京人民ラジオ・外国語チャンネルにて「東京音楽広場」「日本語・Go!Go!塾」の番組制作・アンカー・パーソナリティーを務める。主な著作に『「小皇帝」世代の中国』(新潮新書)、『北京で学生生活をもう一度』(新潮社)、『日本の名前をください 北京放送の一〇〇〇日』(新潮社)、『日中ビジネス摩擦』(新潮新書)など。

目次はこちら(クリックで開きます)

目次

訳者まえがき

1 貯金の増える速度は物価上昇の速度に、永遠に追いつかない

2 断固家を買う決意をしたのは、我が子のこのひと言から

3 八〇〇〇元で来年結婚するつもり?!

4 徐々に徐々に愛し合おう!

5 君は女色禁止なんだろ?

6 たった一日のリラックスのために三〇日間の緊張が必要という残酷!

7 お姉ちゃんが家を買うの。でもお金が足りないのよ!

8 処女のような新築の家が欲しいの

9 僕がまだまだ若いってことを、彼女に教えなきゃならない!

10 お義母さんの言う通りにしよう

11 消費は欧米にならえ、収入は南米・アフリカにならえ

12 この胸の痛みは「失恋」の痛み

13 先に豊かになった人のために奉仕する

14 気分はちょっと、ロマンチック

15 文学なんて、魚料理にまぶしたパセリみたいなものよ

16 結婚なんて、つまりは金勘定よ

17 金の話はやめよう、金の話は人間関係を壊してしまうから

18 ようやく明るさが見えてきた!

19 不撓不屈、七転び八起き

20 木を見て森を見ず

21 大貧民の仲間入り

22 彼女にとって、家とはお墓なんです

23 一生煙草を吸い続けて、私の家の半分を燃やすつもり?!

24 昼の顔と夜の顔

25 妻とは、一生涯、耳元でぶつぶつ言い続ける人間のこと

26 賃貸なんて安ければ安いほどいいのよ!

27 物質的満足は精神的満足につながる?

28 一人の周りには一〇〇人がいる

29 先にお墓を作り、その後で愛情を埋葬する?

30 男と女の楽しい時刻はあっという間に過ぎていく

31 残業するなんて絶対バカだ

32 男に比べたら服のほうが確かかも?

33 服には値段があるけど、青春には値段がつけられない

34 封筒の中の「絵より美しい物」

35 私はゆっくり、あなたのことを想っていたいの

36 残業はアジアの文化だ

37 金というのは、簡単に入るが、簡単に出ていくものだ

38 女の子は父親の前世の恋人

39 中庸こそ中国の進む道

40 心からのお願いだ、僕の妻になってください

41 威厳があり、裕福そうで、正妻の貫禄十分な

42 愛人のいる男の生活はブルーカラーと同じである

43 私はあなたにとってただのチェスの駒の一つなのね

44 心の傷はなんとかなっても、面子をなくしたら男は終わり

45 あの瞬間、魂が時の彼方、大学時代に帰っていった!

46 この日だけは、父親であるべきである!

47 あなたは、私という木を支えている、根っこなのよ!

48 人の一生は自分自身の実力にかかっているのだからね

49 妻はすべてを見ていたのである

50 負い目をもって結婚するなら、きっぱり別れたほうがいい

51 傷口は、触らなければいつかはふさがる?

52 夜が永遠に続くほど長く感じた

53 女にとって自分の家とは、嫁ぎ先、つまりは他人の家である

54 君にも弱点があったんだな

55 いたずら小僧は眠っている

56 びくびくしつつも、甘く優しく

57 調子っぱずれの歌は、耐え難い

58 人間は自分の不得意なことをするもんじゃない

59 ご機嫌取りは、的を射ている

60 鶴髪童顔、花は二度咲く

61 楽しいことはもちろん、苦しみだって共有できる

62 地雷が多すぎて、どこで爆発するのかわからない

63 官という文字は、上に冠があり、その下に二つの口がある

64 後半生のためにお金で清算