謎の村上春樹

謎の村上春樹
読まなくても気になる国民的作家のつくられ方

ハルキストも、そうでない人も、目からウロコの<最新>春樹論!

ノーベル賞、今年はとれるのか? 目からウロコの<最新>春樹論!

好き嫌いにかかわらず、気にせずにはいられないムラカミ小説の構造、誰も書いたことのない村上春樹の「オタク」的実像、そしてムラカミを都合よく誤読しつつアイドルに祭り上げてきた中高年ハルキストの功罪。気鋭の文学者が春樹作品から読み解く現代日本ワンダーランド。

四六 判( 224 頁)
ISBN: 9784833420600

2013年09月30日発売 / 1,540円(税込)

[著] 助川幸逸郎(すけがわ・こういちろう)

1967年生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。横浜市立大学ほかで講師をつとめる。授業や講演では、専門の日本文学だけでなく、映画史やファッション史、アイドル論など、幅広いテーマを扱っている。著書に『文学理論の冒険』(東海大学出版会)、『可能性としてのリテラシー教育』『21世紀における語ることの倫理』(ともに共編著、ひつじ書房)、『グローバリゼーション再審』(共編著、時潮社)、『光源氏になってはいけない』(小社刊)などがある。

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目次

第1章 なぜ村上春樹の本は、好きでもないのについ買ってしまうのか?
第2章 なぜ『1Q84』には黒髪ロングヘア・スレンダー巨乳美少女が登場するのか?
第3章 村上春樹はアルマーニの服を実際に着たことがあるのか?
第4章 なぜオジサンは村上春樹を読んで「自分語り」をするのか?
第5章 なぜ龍はブレまくって、春樹はブレないのか?
第6章 なぜ春樹は早起きをして走るのか?
第7章 なぜ『ノルウェイの森』はバブル時代を象徴する小説となったのか?
第8章 なぜ春樹は授賞式でTシャツを着るのか?
第9章 なぜ春樹は「走ることについて語るとき」力むのか?
第10章 なぜ春樹は他人のトラウマを借りなくてはならなかったのか?
第11章 なぜ村上文学はノーベル賞を取りにくいのか?
第12章 春樹はこの先『ねじまき鳥クロニクル』以上の「悪」を描くことができるか?
第13章 なぜ春樹は日本文学界で独り勝ちになったのか?
第14章 2013年は父への「巡礼の年」だったのか?
第15章 なぜ多崎つくるは色彩を持たないのか?
第16章 なぜ春樹の父親は高校教師になったのか?
第17章 村上春樹はドストエフスキーになれるか?
第18章 なぜ春樹はノーベル賞を取ってはいけないのか?
参考文献