山の音

山の音

写真家の大森克己さんが紡いだ言葉、記録と記憶。1997年から2022年まで様々なメディアで発表してきたエッセイ、ノンフィクション、書評、映画評、詩、対談などにコロナ禍の日々を綴った日記を加えた一冊。マドンナ、東日本大震災、アヒルストア、ECD、家族のかたち、バラク・オバマ、ライカ、浅草、iPhone……時代の空気を言葉で写す圧巻の全464p。

四六 判( 464 頁)
ISBN: 9784833452069

2022年07月28日発売 / 2,970円(税込)

[著]大森 克己(おおもり・かつみ)
写真家。1963年、兵庫県神戸市生まれ。日本大学芸術学部写真学科中退。スタジオエビスを経て、1987年よりフリーランスとして活動を始める。フランスのロックバンドMano Negraの中南米ツアーに同行して撮影・制作されたポートフォリオ『GOOD TRIPS, BAD TRIPS』で第9回写真新世紀優秀賞(ロバート・フランク、飯沢耕太郎選)受賞。主な写真集に『very special love』『サルサ・ガムテープ』『Cherryblossoms』(以上リトルモア)、『サナヨラ』(愛育社)、『STARS AND STRIPES』『incarnation』『Boujour!』『すべては初めて起こる』(以上マッチアンドカンパニー)、『心眼 柳家権太楼』(平凡社)。主な個展に〈すべては初めて起こる〉(ポーラミュージアムアネックス/2011)、〈sounds and things〉(MEM/2014)、〈山の音〉(テラススクエア/2018)。参加グループ展に〈路上から世界を変えていく〉(東京都写真美術館/2013)、〈Gardens of the World〉(Rietberg Museum/2016)、〈語りの複数性〉(東京都公園通りギャラリー/2021)などがある写真家としての作家活動に加えて『dancyu』『BRUTUS』『POPEYE』『花椿』などの雑誌やウェブマガジンでの仕事、数多くのミュージシャン、著名人のポートレート撮影、エッセイの執筆など、多岐に渡って活動している。『山の音』は初の文章のみの単著となる。

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目次

写真の歌

あのふしぎなよろこびの感覚

名前のない4つのはなし

ボクが見た日比谷。東京の風景。

浦安

いま、なにが見える?

ショーン・ペンも同い年

ショーン・ペンは3つ上

サミー・デイウィス・Jr.はサントリーホワイトがお好きでしょ

寝ても覚めてもなこと

夢よ、もう一度

物学びし日々

説明できるかな?

『心眼』を編む

はじまりはおわり

『心眼』ができるまで

桜の咲かない春はない

あらあらかしこ

「トランスの帝国」からの帰り道

「写真が上手い」って、なんだ?

続「写真が上手い」って、なんだ?

家族のかたち

数々の貿易と通訳の困難さゆえ

誰もが写真を撮る時代になった

誰だって食べなければ空腹を覚える

欲望という名の会話

春になると桜が咲き誇るから

最後に大きな声で叫んだのはいつだ?

ひとりで生きているわけじゃない

あの列車に乗って行こう

音楽をわかち合うには、いま

出逢いは街の中

わからないということがわかるということ

自然に振る舞おうと考えて行動した瞬間、それは不自然な振る舞いになるのかな?

見る、追う、語る、叶える、食べる、夢

文字を書く想い、文字を打つ意識

はじめての家族写真

写真に未来はうつらない

歩いて考える、歩きながら想い出す、歩くから気づく→もう歩けません

いまなお矍鑠として

ドリンク アンド ドランク

フランツ・シューベルトのこと

夏の匂いを知っている

君の名は、なに?

大人の読書感想文『坊っちゃん』

あの夏のことを忘れない

やっぱり常夏じゃなかった

気がつけば、関西で過ごした時間よりも、関東で暮らした時間の方が長くなった

世界がもし関西弁で喋り出したら

カレーライスの夜

賭けなければ当たらない

信じる自由、信じない自由

神という名のもとに

確かに特別な夜

寄ったり、引いたり

未来はいま

もしいま高校生だったら

父がいて母がいて

キョンキョンと言えば

匂いの記憶

待ち人の流儀

感じるな、考えろ

京都のメモリーズ

同級生は日置武晴

シックスティ ファイブ

少しずれている

『トーク・トゥ・ハー』と「武満」

カクテルと現像

ホックニーが教えてくれたこと

あっというまに

母と会う

記憶にございません

パンクと金髪

『狂おしき一日、あるいはフィガロの結婚』について

機上の窓から

同級生は渡辺英明

夏が終わる

写真を盗る

サンキュー2015&ハロー2016

カメラ

フェイシズ

お兄ちゃんと声を掛けられて

山男に惚れた男

広島「源蔵本店」にて

オバマ 広島に来る

『喜納昌吉&チャンプルーズ』を聴いたのは

長池、福本、マルカーノ

出来ないことを出来るって言うな

地下鉄と銀河テレビ小説

パリへ

2015年のクリストファー・ノーラン

あまり縁のないネクタイのこと

撮らなかった写真は存在しない

朝まで飲む

音楽があって良かった

ある猛暑日の過ごし方

名は体を表す

ボクたちのギター

北へ

写真は年をとらない

はじめてのベースボール

動物園の檻の中

景色が変わる

ボクらはみんな生きている

そんな気持ち分かるでしょう

スイスからパリへ

高橋さんは藤井さん

男はひとり、女はふたり

自分の家じゃない家

いつもの夕方じゃない

ベネズエラで寿司

八百万の神を見る

誕生日が近い人たち

朗読の時間

音楽の時間

アイスランドへ

とりとめもなく哲学的

きゅうりの馬に乗って

若き者たちが奏でる音

しゃっくりは、いつのまにか止まる

京葉線に乗って

〈すべては初めて起こる〉をめぐるいくつかの日付 と思い出すことがら

あてもなく浅草で

18歳って

取手にて

三島にて

夢の続き

音を楽しむ

千葉を感じて

ドライヴしたら

西瓜を飲む

群衆の中で

海街の記憶

クリマスはバースディ

新浦安液状化

ジャン=リュック・ゴダール「まだこんな野蛮な音楽を」

『すべては初めて起こる』のためのメモ

SANPO=散歩

『ティファニーで朝食を』、あるいは思い出すことの切なさと、それゆえの甘美について

サナヨラ

想ひ出の銀座シネマデート BEST5

『サルサ・ガムテープ』

ドキュメンタリー写真の心得

三度目のフィリピン滞在中(1996年12月18日~1997年1月21日)のメモより

奥野武範さんと「写真が上手いとは何かから始まる ピントの話」

岡本仁さんと「インスタグラムから始まる写真の話」

川内倫子さんと綴る「写真と言葉」

日記