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紫式部と源氏物語の謎

紫式部と源氏物語の謎

NHK大河ドラマ「光る君へ」
これが最高の副読本!

紫式部って実は二人いたの?
ヒロインの肖像はかぐや姫から着想?
式部は藤原道長の愛人だったの?
源氏物語は後から挿入された原稿がある?
――「日本最古の長編小説」に隠された謎に迫る

『謹訳源氏物語』の著者、林望先生が熱く語る
『源氏物語』は、わが国で生まれた最古にして最高の人間ドラマだ

四六 判( 224 頁)
ISBN: 9784833425254

2023年12月19日発売 / 1,650円(税込)

[編]源氏物語研究会
『源氏物語』もその著者とされる紫式部も、長い歴史の闇の中に閉ざされ、真の姿が隠されてしまっているのではないか。
さもありなんという伝説の修飾をはぎ取り、より合理的なものの見方から、この大作にアプローチすれば、新たな作品としての魅力や、作者の真実の姿がみえてくるのではないか。
中世文学の専門家ではないが、1年余り前から論議を尽くしてきた、『源氏物語』の魅力に取りつかれた男たちの集まりである。

● 清丸恵三郎  編集者・ライター。『プレジデント』元編集長。『出版動乱―本を作る人々』『江戸のベストセラー』等の著書がある。津本陽、梅原猛、童門冬二氏等の著作やビジネス、メ ディア関連の単行本を多数編集。作家と作品の関わりに関心。早稲田大学政経学部卒。人間科学修士。1950年石川県生まれ。
● 乗松幸男  ジャーナリスト。心理学、統計学をベースにバイオ、ナノテクベンチャー等の経営者の人物像に迫る。『経営者会報』元編集長。吉村昭、山口瞳、小松左京氏らの編集を担当し、古典文学・芸能史に詳しい。大阪大学人間科学部卒。1950年静岡県生まれ。
● 梨本敬法  編集者。洋泉社、宝島社を経て、現在フリー。文化、社会、教育、医療、ビジネスなど幅広いテーマで、書籍、MOOK等を編集。洋泉社MOOKで「源氏物語 平安王朝絵巻を旅する」や「万葉集を旅する」等を企画・編集。早稲田大学教育学部卒。1961年東京都生まれ。
● 北山円香  ライター。歴史学、文学、サブカルチャーに関する執筆を行う。京都市出身で、『源氏物語』など王朝文学にも関心が強い。主な寄稿先は『歴史街道』、「文春オンライン」など。一橋大学大学院社会学研究科(近世村落史専攻)修了。1994年生まれ。男性。
● 内藤孝宏  フリーライター・編集者。「ボブ内藤」名義でも活動。これまでに1500を超える企業、2000人強の著名人にインタビューしている。著書に『東京ゴーストスポット』『ブータン人の幸福論』ほか。洋泉社MOOK「 源氏物語 平安王朝絵巻を旅する」の編集に協力。東洋大学文学部中退。1966年静岡県生まれ。

特別インタビュー  林 望
国文学・書誌学者、エッセイスト。慶応義塾大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学、オックスフォード大学で研究し、東京芸術大学で教鞭をとる。『謹訳 源氏物語』で毎日出版賞特別賞を受賞。滞英中の体験を材料にした『イギリスはおいしい』で日本エッセイスト・クラブ章受章。リンボウ先生の愛称で知られる。1949年東京都生まれ。

目次はこちら(クリックで開きます)

目次

  • 第一部 「紫式部」の謎

  • 第一章 おぼろに霞む紫式部の人生

  • 今なお通称が取れない「紫式部」

  • 不詳の生没年

  • 弟惟規と異なる個性

  • 道長あっての『源氏物語』?

  • コラム① 紫式部は二人いた? 驚きの異筆論の数々

  • 第二章 紫式部は実在したのか

  • 紫式部は何と呼ばれていたのか

  • 伝わっていない本名

  • 紫式部と呼ばれるようになった理由

  • 式部と「紫のゆかり」

  • 第三章 紫式部の恋

  • なぜか遅かった結婚

  • 結婚前に何があったか

  • 予想される裏切られた恋!?

  • 第四章 突然幕を下ろした三年余の結婚生活

  • 新郎は二十歳余も年上だった

  • 式部に執心する宣孝

  • 愛情より虚栄心を満たすためだった!?

  • 鬱々とした思いの中で

  • 第五章 紫式部と藤原道長の怪しの関係

  • 『尊卑文脈』に記される「道長妾」の文字

  • 道長との文深い因縁

  • 好意と駆け引きと

  • 並びなき権力者とろうたけた才女の恋

  • 道長あっての『源氏物語』か

  • 第六章 偉才を生んだ家系と歴史的背景

  • 「堤中納言」の名で知られる曾祖父

  • 周囲に蓄積された多くの和歌集、史書、漢籍

  • 式部一族と醍醐帝との複雑で深いかかわり

  • 第二部 『源氏物語』の謎

  • 第一章 謎だらけ「王朝文学の代表作」

  • 成立当時、『源氏物語』は知られていなかった

  • 作者が紫式部だと思われていなかったのでは?

  • 内容が異なる異本がたくさん存在する謎

  • 第二章 果たしてラブストーリー? 時代で変わるテーマ性

  • 短期間に大作を書けたスーパーウーマン?

  • 宮廷スキャンダルを書けた謎

  • 内容やストーリーに矛盾がある謎

  • コラム② 源氏物語はどのような構成で何を伝えようとしているか

  • 第三章 男女の物語に仮託された歴史小説か

  • 著者は何を書きたかったのか、好色風流の世界?

  • 好色を戒める宗教的説話なのか?

  • ヒーローの苦難から権力簒奪、理想の政道、性愛指南まで

  • 第四章 壮大なストーリーはどう構想された

  • ヒロインの肖像はかぐや姫から着想?

  • ヒーローの苦難の展開は『うつほ』の影響?

  • ヒロインの苦難や結婚拒否は先行物語から

  • 第五章 本当に式部一人が書いたのか

  • 十三世紀はじめごろには、五十四巻であった?

  • 幻の巻には何が記されていたのか?

  • 『源氏物語』の構成、成立をめぐる戦後の大論争

  • 『源氏物語』には後から挿入された部分がある

  • 才女だった式部の娘が、半分を書いた?

  • コラム③ 『源氏物語』の謎に挑んだ推理作家はなぜ失踪したのか

  • 第六章 男性作家の手が入った可能性を問う

  • 正しい『源氏物語』は存在しない?

  • 「桐壺」は後から書かれたのか?

  • 本当に子供を生んだ女性が書いたのか

  • 源氏一族に複数の男性原作者がいた?

  • 『源氏物語』複数作者説

  • 女房たちによる女房たちのための物語

  • 第七章 藤原氏全盛時代になぜ源氏の物語が書けたのか

  • 式部は道長の愛人だった?

  • 道長は『源氏物語』を読んでいたのか

  • コラム④ 『源氏物語』は果たして名文か

  • 第三部 紫式部と『源氏物語』の基礎知識

  • 第一章 一〇分で読める『源氏物語』全あらすじ

  • 桐壺、帚木、空蝉、夕顔、若紫……若き光源氏の女性遍歴

  • 末摘花、紅葉賀、花宴、葵、賢木……未来を照らす「光」に忍びよる「影」

  • 須磨、明石、澪標、蓬生、関屋……どん底から栄光への返り咲き

  • 絵合、松風、薄雲、朝顔、少女……頭中将に次々と勝利する光源氏

  • 玉鬘、初音、胡蝶、蛍、常夏、篝火……六条院の栄華

  • 野分、行幸、藤袴、真木柱、梅枝、藤裏葉……掛け違えられた縫い糸の修復

  • 若菜上、若菜下、柏木、横笛、鈴虫、夕霧、御法、幻

  • 源氏を襲う老いと無常観

  • 匂宮、紅梅、竹河、橋姫、椎本、総角、早蕨

  • 次世代の貴公子たちの物語

  • 宿木、東屋、浮舟、蜻蛉、手習、夢浮橋……さらに展開する愛執の結末

  • 第二章 光源氏を愛し、妬んだ女性たち

  • 桐壺更衣

  • 藤壺の宮

  • 弘徽殿の大后・女御

  • 朧月夜

  • 葵の上

  • 空蝉

  • 夕顔

  • 紫の上・若紫

  • 六条御息所

  • 秋好中宮

  • 明石の君

  • 明石の姫君

  • 末摘花

  • 花散里

  • 玉鬘

  • 女三の宮

  • 宇治の大君

  • 浮舟

  • 第三章 源氏の父、兄、ライバルたち

  • 桐壺帝

  • 頭中将

  • 朱雀帝

  • 明石入道

  • 冷泉帝

  • 柏木

  • 八の宮

  • 匂宮

  • 第四章 『源氏物語』ゆかりの地を訪ねる

  • 淑景舎から清涼殿まで、桐壺の更衣の足跡を歩く

  • 正室・葵の上と愛人・六条御息所の「車争い」の舞台

  • 六条御息所の怨霊の正体を追う

  • 愛の負の側面を背負った六条御息所

  • 夕顔の死のモデルとなった平安ミステリー

  • 「なにがしの院」に現れる亡霊の正体は?

  • 第五章 千年の恋は現代語訳で発見された

  • 源氏物語――その受容と現代語訳の歴史

  • 宮廷内の読み聞かせ物語を「小説」にした「与謝野源氏」

  • 黒船「ウェイリー源氏」が発見させた『源氏物語』の芸術性

  • 軍閥政治期の自主規制が戦後ブームへとつながった「谷崎源氏」

  • 戦後昭和の決定版、「円地源氏」の誕生秘話

  • 昭和から平成にかけて登場した奔放な女流作家たちのそれぞれの千年の恋

  • 光源氏の一人称による『窯変源氏物語』はなぜ生まれた?

  • 与謝野晶子から瀬戸内寂聴へつながる絆

  • 『源氏物語』の語り部は、二一世紀も連環して増殖してゆく

  • 大学受験必携! 累計一八〇〇万部の大ベストセラー、『あさきゆめみし』