「天ぷら」神髄 近藤文夫

「天ぷら」神髄 近藤文夫

東京・銀座五丁目、並木通りに面したビルの九階。
「てんぷら近藤」は今日も活気にあふれている。

油っぽさをまったく感じさせない、素材の色が美しく透ける薄衣の天ぷらをよどみなく揚げるのは、主人の近藤文夫さんだ。
新鮮な魚介が旬の野菜が、二つの鍋中で音を立てている。
見回せば豊かな香りに包まれて、お客はみんな笑顔だ。
近藤さんの天ぷらには人を幸せにする力がある。

A4変型 判( 152 頁)
ISBN: 9784833479509

2020年12月22日発売 / 1,760円(税込)

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目次

美しい天ぷらを揚げたい 近藤文夫

第一章 天ぷらは“音”で揚げる 耳を澄まして素材の声を聴く

 車海老/アスパラガス/舞茸/ピーマン/鱚/椎茸/人参/穴子

第二章 おいしい天ぷらとは何か 天ぷらは揚げ物ではなく“蒸し料理”

 魚介を揚げる/野菜を揚げる

対談「真のおいしさは素材が教えてくれます」 中道博 「モリエール」オーナーシェフ×近藤文夫 「てんぷら近藤」主人

第三章 春の天ぷら 春の苦味を旨味に変える

 蕗の薹/土筆/筍/青じそ/白魚/菜の花/つぼみ菜/雲丹/たらの芽/こごみ/姫竹/こしあぶら/めごち/平貝/小柱と三つ葉のかき揚げ

第四章 思い立ったらすぐに揚げてみる 名物に理由あり

 余熱の技。厚さ一〇センチの「さつまいも」/甘鯛の「オーロラ巻」/池波正太郎好みの「じゃがいもとご飯」

第五章 夏の天ぷら 豪快に揚げたてを頬張る醍醐味

 とうもろこし/万願寺唐辛子/ヤングコーン/稚鮎/茗荷/谷中生姜/鱧/鮑/さやいんげん/ペコロス/蛤/おくら/おくらの花/賀茂茄子/新銀杏/新蓮根/南瓜

「天ぷらはやめや。あれはいくらやっても勝てない」 ―――上野修三 「浪速割烹 ?川」創業者

第六章 秋冬の天ぷら 焼き松茸を超える味を目指す

 松茸/新いか/栗/牡蠣/かわはぎと肝/帆立/蚕豆/河豚白子/鱈白子/すみいか/百合根

フルーツを揚げる 既成概念からの脱却。赤ワイン衣で揚げる

 シャインマスカット/桃/いちじく

最終章 天ぷらの未来 江戸前の伝統を守りながら天ぷらを進化させる

次世代を担う天ぷら職人

 「てんぷら 前平」 前平智一

 「てんぷら 成生」 志村剛生

「てんぷら近藤」の一日

天ぷらに人生を捧げる