[著] 勝見 明(かつみ・あきら)Akira Katsumi
1952年、神奈川県逗子生まれ。東京大学教養学部中退。フリージャーナリストとして経済・経営分野を中心に執筆・講演活動を続ける。企業の組織運営、人材マネジメントに詳しい。主な著書に『なぜ、セブンでバイトをすると3カ月で経営学を語れるのか?』(プレジデントブックス)、『鈴木敏文の「統計心理学」』『鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」』(いずれも日経ビジネス文庫)、『度胸の経営』(三笠書房)、『イノベーションの本質』(日経BP社 共著)、『イノベーションの作法』(日経ビジネス人文庫 共著)など。
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はじめに
- なぜ、あがり症で人見知りでも成功できるのか
- なぜ、話し方や伝え方が大事なのか
- 鈴木流心理学経営をいま注目の「行動経済学」で裏づける
I部 話し下手でも成功できる
第1章
どんな「話し方」をすれば、相手に伝わるのか
- 居眠りをしている社員を叱って起こしてでも伝える
- 少年時代は極度のあがり症だった
【鈴木敏文の話し方説法1】
借り物の言葉を使わず、自分が知っていることだけを話す
【鈴木敏文の話し方説法2】
身近な事例や例えをできるだけ盛り込んでみる
- 聞き手の共感を呼ぶコツ
- 「中国人の聴衆相手に日本語で話す」
【鈴木敏文の話し方説法3】
話の中に数字をうまく入れると聞き手への親切度が増す
- 数字の力を借りる
- 数字はもろ刃の剣、「ごまかし」も入りやすい
【鈴木敏文の話し方説法4】
「標語」をいくら並べても右から左へと抜けるだけ
- 「顧客第一主義」を唱えるだけでは浸透しない
- いい換えの能力に必要なのはストーリーを描く力
【鈴木敏文の話し方説法5】
自分に酔った話し方は聞き手には退屈
- 自分が物知りであることを売り込んでも効果は薄い
- 「自我の延長」的な行為も相手を疲れさせる
- 相手の反応を察知する力をつけるには「メタ認知」が必要
【鈴木敏文の話し方説法6】
相手の顔を向けさせるには“エサ”の情報を自分なりに持て
- “エビ”の情報で・タイ・を釣る
- 「上司からいわれたので」では相手は聞こうとしない
【鈴木敏文の話し方説法7】
話術だけでは相手は説得できない
【鈴木敏文の話し方説法8】
ただ「話しておきました」では、本当に話したことにはならない
- いかに相手の行動を引き出すか
- 頭の中の「テンプレート」を互いに一致させる
- コミュニケーション能力が最も重要
第2章
人はなぜ、自分のことになると「保守的」になるのか
【鈴木敏文の仕事術指南1】
「売れる店」はなぜ、ますます売れるようになるのか
- 快進撃を続けたディスカウントストア「ザ・プライス」
- 「当日仕入れ、当日売り切り」を可能にした驚異の陳列術
【鈴木敏文の仕事術指南2】
「売れない店」はなぜ、ますます売れなくなってしまうのか
- 「売れない店」が陥る縮小均衡の悪循環
- 人は「100の利得」より「100の損失」を二倍大きく感じてしまう
- 売り手は「機会ロス」より「廃棄ロス」を二倍大きく感じてしまう
- 「儲からないニューヨークのタクシー運転手」が儲けを増やせない理由は何か
【鈴木敏文の仕事術指南3】
なぜ、「うちの店ではこういう商品は売れない」と思い込むのか
- 人は論理ではなく「思考の近道」で考える
- 一事が万事と思い込む「少数の法則」
【鈴木敏文の仕事術指南4】
なぜ、「自分は玄人」と思う人ほど判断がズレるのか
- 最初の情報によって判断が影響されてしまう「アンカリング効果」
- 玄人が陥りやすい「確証バイアス」
- 玄人と素人の対立を乗り越え成功したセブン銀行の例
- 最悪なのは組織全体に判断のズレが及ぶこと
【鈴木敏文の仕事術指南5】
なぜ、売り手は「顧客のために」といいつつ、自分の都合で考えてしまうのか
- 「顧客の立場で」考えれば、自分たちに都合の悪いことも実行できる
- 「無能化」しないためにも常に「顧客の立場で」考え続けることが必要
- 「顧客の立場で」考え、思考のズレから脱する
第3章
人はなぜ、「長期的な利益」より
「目先の楽さ」を大きく感じてしまうのか
- 「長期的な利益」を目指すか、「目先の楽さ」を追及するか
【鈴木敏文の仕事術指南6】
人間はなぜ、「長期的な利益」より「目先の利益」に目を奪われるのか
- 人は、禁煙は健康によいとわかっていてもタバコを吸ってしまう
【鈴木敏文の仕事術指南7】
「仮説・検証」により「機会ロス」を「見える化」する
- 100の損失や不満足を埋めるには200の利得や満足が必要
- 目的意識によって偶然を必然化する
【鈴木敏文の仕事術指南8】
人は一人で考えていると保守的な心理に陥り、前に踏み出せない
- 「対話」から力を借りて保守的な心理を解放する
- 悪循環を脱したコンビニ経営者の事例
- 内向きから外向きに転じたコンビニ経営者の事例
- 誰もが保守的心理に陥らないように仕組み化する
【鈴木敏文の仕事術指南9】
人は挑戦して失敗するより、挑戦しないほうを後悔するようになる
- 株の投資家は「熱烈な巨人ファン」の心理に似ている
- 人は「しなかった後悔」より、「してしまった後悔」を回避しようとする
- 人は長期的には逆に「しなかったこと」を後悔するようになる
II部 商売は感情で動く
第4章
どうすれば不況下でも買ってもらえるか
- 買い手も「思考の近道」や「思考の落とし穴」にはまる
- 鈴木流「感情経済学」の奥義を探る
【鈴木敏文の感情経済学入門1】
なぜ、消費者心理はマスコミ報道の影響を受けるのか
【鈴木敏文の感情経済学入門2】
なぜ、買う側が「ありがとうございました」と礼をいうのか
- 大ヒットした「キャッシュバック」と「現金下取りセール」
- 持っているものを手放せない「保有効果」の心理を逆転させる
- 「現金下取りセール」は初め、社内で疑問視された
【鈴木敏文の感情経済学入門3】
なぜ、「ガソリン割引券」がヒットしたのか
- 人は同じものでも提示のされ方によって選択の仕方が変わる
- 「フレーミング効果」の心理
- 「衝動買いの時代」には売り方の演出力が不可欠
【鈴木敏文の感情経済学入門4】
なぜ、グラム500円の牛肉の隣にグラム700円を置くのか
- 価格の心理学の不思議
- 「最も売りたい価格帯」に誘導するレストランのコース料理設定
【鈴木敏文の感情経済学入門5】
なぜ、商品の種類を絞ったほうがよく売れるのか
- 選択肢が多いと顧客は判断を先延ばしにする
- 選択肢を絞ると「選ぶ理由」がはっきりする
- 顧客の満足は維持するほうが難しい
第5章
どうすれば顧客の満足度を高められるか
- 売り手の「損失回避」と買い手の「損失回避」は両立しない
【鈴木敏文の感情経済学入門6】
顧客の「満足度の基準」は常に上がっていく
- 猛暑なのに冷やし中華の売り上げが下がった店
- 一発ねらいより、小刻みに改善するほうが顧客には効く
【鈴木敏文の感情経済学入門7】
顧客は「してもらえなかった不満足」を大きく感じる
- 人は挨拶一つでもされなかったら傷つく
- 売り手は常に「あるべき姿」を目指さなければならない
【鈴木敏文の感情経済学入門8】
顧客が求めるのは単なる安さではなくフェアプライス
- 買い手の買い方の知恵が磨かれてきた
- 買い方の知恵と売り方の知恵をマッチングさせる
【鈴木敏文の感情経済学入門9】
消費者は「いうこと」と「行うこと」が一致しない
【鈴木敏文の感情経済学入門10】
不況の中だからこそ「当たり前のこと」で差がつく
- 「基本の徹底」がなぜ自己差別化につながるのか
- 人は「選ぶ」ときは肯定面に目を向け、「選ばない」ときは否定面に目を向ける
【鈴木敏文の感情経済学入門11】
トップ企業も「買い手の気持ち」を見失えば陥落する
III部 自分の中の「保守的な心理」を克服する
第6章
ブレイクスルー思考で新しい自分に挑戦する
- 挑戦するか、自分を守るか、その妥協点を変える
- ザ・プライスが短期間に売上増を実現できたもう一つの秘密
- 目を見張ったパートの戦力向上
【鈴木流「生き方・働き方」の極意1】
なぜ、セブンでバイトをすると3カ月で経営学を語り始めるのか
- 主力商品の発注を学生アルバイトに任す
- 店の危機を救った学生アルバイトたち
- 1店舗で年間2億円の商売をオーナーと奥さんの二人ではできない
【鈴木流「生き方・働き方」の極意2】
人は「善意の生きもの」、だからこそマネジメントが大切
【鈴木流「生き方・働き方」の極意3】
人は時間をかけないほうがいい仕事ができる
- 「2カ月以内のオープン」を求めたザ・プライス第一号店
- 自分で仕事にデッドラインを区切れば目標は達成できる
【鈴木流「生き方・働き方」の極意4】
上司は「権限委譲」と「丸投げ」をはき違えていないか
- 「権限委譲」と「丸投げ」はどこが違うか
- 「ボトムアップ」と「丸投げ」のはき違い
【鈴木流「生き方・働き方」の極意5】
なぜ、人は「都合のいい理由」を見つけたがるのか
【鈴木流「生き方・働き方」の極意6】
ブレイクスルー思考で自分を超える
- 未来から現在を省みる
- 部下に「君はどうしたいのか」と問いつめる
- 信念にしたがって挑戦すれば、みんなが力になってくれる
第7章
常に懸命であれば「行き当たりばったり」の生き方でもかまわない
【鈴木流「生き方・働き方」の極意7】
懸命に「行き当たりばったり」に生きる
- 学生運動でブラックリストにのる
- ヨーカ堂へ転職したら話がぜんぜん違った
- セブン─イレブンも失敗からスタートした
- 大切なのは人生が一段一段積み上がっていくこと
- 自分の弱点を強みに変える
- 一日一日を精一杯生きる
- 「石の上にも三年」
おわりに