[著] 沢井淳弘 さわい・あつひろ
一九三九(昭和十四)年、大阪に生まれる。
京都大学英文科卒。京都産業大学名誉教授。京都市在住。大学に入学してすぐに原因不明の病気を患う。郷里の広島に帰り治療を行うもなかなか回復せず、その頃「人はなんのためにこの世に生きてきたのか」という人生の根源的な問題について悩み始める。キリスト教や仏教の本を読み漁り、ますますわからなくなり絶望的な気持ちに陥っていたとき、伯母の強いすすめで、心と身体の真の健康を確立する方法として「心身統一法」を創案した中村天風(一八七六-一九六八)の講話を京都で初めて聴く機会に恵まれ、それがきっかけで人生が変わり始める。以来、十二年間にわたって薫陶を受ける。中村天風亡き後も、瞑想やことばの自己暗示法の実践・研究を続け現在に至る。「ことばの自己暗示は、私にとっては、魔法のようなものです。だから、私はだれにも負けないほど熱心に、自己暗示を実践したいと、心に誓っております」(著者「あとがき」より)。主な著書に『中村天風から教わったやさしい瞑想法』(プレジデント社)、『心を空にする~中村天風「心身統一法」の真髄』(編著、財団法人天風会監修、飛鳥新社)ほか。
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はじめに
序章 人生を変える自己暗示力
ミアーズ博士と高田明和博士
プラス思考と自己暗示
効果的な唱詩の一例
中村天風先生との出会い
中村天風のヨーガ体験
誦句に救われる
精神的な苦境をのりこえる
第一章 唱詩とはどんなものか
流行歌が人を救うこともある
益川教授の座右の銘、「眼高手低」
「般若心経」を自己暗示の唱詩にする
感動は「信」への道しるべ
なぜ、私たち現代人は常に不安なのか?
第二章 自己暗示は信念を強くする
自己暗示は自己変革である
イメージをつくるのはことばである
自律訓練とは自己暗示のこと
唱詩のとおりに自己改造ができる
第三章 理想の追求と自己暗示
理想をもつ人は強い
理想は気高いもの
理想は組織化された内容をもつ
天風の座右の銘
心の豊かな生活
第四章 唱詩のつくり方(一)
一、明快な断定が効果的
二、好きなことばをおおいに引用する
三、理由や根拠で説得力をたかめる
四、比喩的な表現は想像力に訴える
五、唱詩の数を増やしていく
唱詩はいつ唱えたらいいか
唱詩を唱えるときの声
第五章 唱詩のつくり方(二)
人生観を確立する唱詩
高田明和『禅の名言』より
中村天風の講話より
中村元『ブッダの真理のことば・感興のことば』より
松原泰道『道元』より
『超訳 ニーチェの言葉』より
イマヌエル・カントより
西田幾多郎『善の研究』より
第六章 ミアーズ博士の「リラックス法」
ことばの自己暗示を応用する
複雑思考と原初思考
ミアーズ博士と実業家たち
「リラックス法」の実際
リラックスの第二段階
リラックスの第三段階
「リラックス法」の最終の第四段階
自己暗示のことばは自由に変えてよい
第七章 高田明和博士の「言霊療法」
人はちょっとしたきっかけで「うつ病」になる
高田さんの貴重なうつ病体験
自己暗示のことばに救われる
言霊療法はなぜ科学的か
ことばには脳を変える力がある
第八章 言霊について考える
言霊ということばの変遷
柿本人麻呂の言霊
日本人の議論下手の原因
「言論の自由」と言霊
言霊信仰と関係のない「ウソ」
ことばは現実とシンクロナイズする
言霊を「心の内面」に限定すべし
契沖がとらえたことばの暗示力
江戸時代の言霊論は神秘主義におちいった
本居宣長の言霊論
新約聖書の言語観
万葉人に学ぼう
現代に、ことばの自己暗示力をとりもどそう
第九章 自己暗示の唱詩〔実例集〕
カントの著作より
中村天風の講演より
中村天風の誦句より
ふたたび、高田明和『禅の名言』より
おわりに