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I 論語の人間像
第一章 孔子を生んだ時代相
佞と美──曲学阿世の徒
聞人と達人
郷原──世渡りのうまいお調子者
第二章 最も偉大な人間通――孔子の人間観
博奕は無為徒食に勝る
女子と小人──近づければ無遠慮になり、遠ざければ怨む
四十五十で名の出ぬ人間は畏るるに足らず
人の世の本質──共に立ち難く、共に権るべからず
君子の条件──誠実〈内的規範〉と礼〈外的規範〉
第三章 理想的人間像――晏子、子産、周公、遽伯玉
〈晏子〉久しく交わるほど尊敬される人
世話のやける暗君、怒鳴りたくなる倅こそ、わが生き甲斐
東洋人は、過去を通して未来を考える
驕慢でケチな人間は論ずるに足らない
〈遽伯玉〉行年五十にして四十九年の非を知る
第四章 孔子学園の俊秀たち――子路、顔回、子貢、曾参
「知る」ことの意味
〈君子の道〉己れを修めて百姓を安んず
〈政治の要諦〉率先して骨折ることに倦むことなかれ
怒りを移さず、過ちを繰り返さない
「悪」に、いかに対応すべきか
明晰な頭脳と弁舌、孔門随一の理財家──子貢
人間が出来ておれば政治はやれる
言うより前にまず実行
〈道・器の論〉立派な器ではあるが、道に達せず
「人物」とは何か
過ぎたるは及ばざるがごとし
内省的で直覚の勝れた人──曾参
夫子の道は忠恕のみ
II 論語読みの論語知らず
第一章 孔子人間学の定理――「利」の本は「義」である
論語は綸語、輪語、円珠経
学んで時に之を習う──「時」の真意
吾れ日に吾が身を三省す──「省」の真意
利によって行えば怨み多し──「利」と「義」
民は之を由らしむべし──「由らしむ」と「知らしむ」
言を知らずんば人を知る無きなり──命と礼と言
第二章 論語の文字学――孝、疾、忠、恕
「暁」──あきらか、さとる
「亮」──たかい、あきらか
「相」──見通しが利く
「了」──あきらか、おわる
「悟」──口をつつしむ
「孝」──老者と若者の連続
「忠」と「恕」の意味
造化と人間
第三章 論語の活読、活学――古典の秘義を解く鍵
佞人は時流を煽動する
利は智をして昏からしむ
己れが己れを知らないことの方が問題だ
仁者こそ能く人をにくむ
好き嫌いが激しいのは利己的でけちな証拠
III 論語為政抄
論語為政抄
孔子について――講義草案ノート
本書への追想 林繁之
論語と安岡先生 山口勝朗