[著]中島恵(なかじま・けい)
1967年、山梨県生まれ。北京大学、香港中文大学に留学。新聞記者を経て、96年よりフリージャーナリスト。中国・香港・台湾など、主に東アジアのビジネス事情、社会事情等を新聞、雑誌、インターネット上に執筆。著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』『中国人の誤解 日本人の誤解』(ともに日本経済新聞出版社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』(中央公論新社)などがある。
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まえがき――爆買いはいつまで続くのか
プロローグ・バブル期の日本から見えてくる「爆買い」の未来予想図
- 銀座は「爆買い」であふれている
- 銀座の中国人は、ほとんどが内陸部から
- 訪日外国人観光客の増加率ナンバーワンは中国
- 欧米人から白い目を向けられていた日本人
- 爆買いの中国人とバブル期の日本人はソックリ!?
- 中国は日本の後を追い掛けている!?
- 「現場で起きていること」と「爆買い後に起きること」
- 「爆買い」に対して戦略はあるか
- 日本人が中国を、中国人が日本を正しく理解するためにも
第1章 中国人観光客急増! 彼らはなぜ日本を目指すのか
- 圧巻! クルーズ船でやってきた約5000人の観光客
- 増え続けている日中を結ぶ空の便
- 利用者が400倍になった北海道・旭川空港
- 多様化傾向にある訪問地と目的
- 中国人が日本を目指す理由(1)「経済的な豊かさ」
- 中国人が日本を目指す理由(2)「ビザ発給要件の緩和」
- 中国人が日本を目指す理由(3)「廉価で高品質な日本製品」
- たとえ中国製でも“日本で売られていること”に意味がある
- 蜜月の時代に育まれた日本への憧れが今につながっている
- 80后は日本文化の“ネイティブ世代”
- 靖国神社や日本のAVにも興味あり!?
- データで見る訪日中国人像
- 農村戸籍の中国人にはハードルが高い日本旅行
- 「個人旅行者=高所得者」といえるわけ
- 来日している中国人は全人口のごくわずか
- 景気減速がむしろ「爆買い」を助長する
- 今の日本に自分たちの未来の姿を重ねる
第2章 現場で聞いた「中国人観光客の人気商品」
- 家電量販店なのに「南部鉄器」を買うの!?
- 中国人がなぜランドセルに興味を示すのか
- スーツケースはお土産の持ち帰り用
- 購買意欲をくすぐる北海道の試み
- 古書や骨董品の「爆買い」は投機目的?
- 最高級のお酒を選ぶのにはわけがある
- 富裕層を狙った世界遺産周遊タクシー
- 売れるのは欧米ブランドよりも日本ブランド
第3章 複雑な社会からわかるモノが売れる仕組み
- “特定の商品”ばかりがなぜ売れるのか
- 多大な影響力を持つ独自のネットワーク「朋友圏」
- 「公式アカウント」と「代購」の仕組みとは
- 「代購」は留学生たちのおいしいアルバイト?
- 在日中国人は情報の発信源
- 中国人が“日本攻略”に活用する旅行サイト
- ガイドブックよりもスマートフォン
- 中国人旅行者向けドラッグストアの独自戦略
- 日本人客よりも手厚い接客サービスが必要
- キックバックを要求する中国人ガイド
- 店側のやりきれない思いと実はお見通しの中国人観光客
- メンツを保つためにはお土産が欠かせない
- なぜ同じ商品を3つも買うのか
- 中国人に大ヒットしている日本製フェイスマスク
第4章 爆買いに戸惑う声から探る「マナー問題」の解決法
- 「爆買い」という言葉は上から目線?
- 日本と中国、各メディアは「爆買い」をどう報道したか
- マナー問題はさまざまな示唆を含んでいる
- 日本人と中国人の板挟みになる高級旅館の女将
- 中国人のマナーの悪さは「インフラ」に起因する
- 相手の目線に立たないと解決は見えてこない
- マナーを理解してもらうのにも気遣いが必要
第5章 大挙してやってくる中国人客は千載一遇のチャンス!?
- 1泊3万円でも選ばれる理由
- 低迷期のラオックスに手を差し伸べたのは?
- ラオックスが持つ独自のアフターサービス機能
- 「消極的に受け入れる」の意味とは?
- 新興勢力は銀座にとって歓迎すべきもの
- 彼らが来なくなったら「元に戻せばいい」
- 個人客の増加で地方にもチャンスがきている
- 台湾での実績を生かす岐阜県高山市
- 深刻化するバス不足やホテル不足
第6章 中国人富裕層にとって日本は心のオアシス
- 団体旅行から個人旅行に切り替える瞬間
- 3つのタイプの日本旅行がある
- 地方都市を愛するカリスマ旅行作家の影響力
- なぜ高野山での宿坊体験が選ばれるのか
- 「中国人が少ないところに行きたい」というのが本音
- 精神的報酬を求める中国人富裕層の気持ち
- ハードよりもソフト面の細やかさに感動する
- 「値段によるサービスの差」が当たり前の中国
- 「地元の人と触れ合いたい」富裕層たち
第7章 なぜ彼らは「日本に住みたい」と思っているのか
- 日本に永住先を求めた定年間近の夫婦
- 老後の夢は「日本で晴耕雨読の日々」
- 富裕層のマンション購入は投資が目的ではない!
- 温泉とがん検診をセットにした医療ツアー
- 直接日本の医療機関に申し込む人も
- 背景にあるのは中国の厳しい医療事情
エピローグ・日本旅行で中国人の対日観が塗りかえられていく
- 「一生忘れられない旅」ってどんなもの?
- もっと日本のすてきなところが伝われば
- 彼らの関心はモノよりも体験に移行している
- 日本人の「当たり前」が感動ポイントになることも
- 相手の常識や状況に思いを馳せることが重要
- 容易に解決できる問題もたくさんある
- 観光は日中の政治を助け、救うものだ
あとがき――“インバウンドのバリアフリー”が整ったとき日本は初めて真の観光立国になれる