[著]大前研一(おおまえ・けんいち)
(株)ビジネス・ブレークスルー大学学長
早稲田大学卒業後、東京工業大学で修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得。日立製作所、マッ キンゼー・アンド・カンパニーを経て、現在(株)ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長、ビジネス・ブレークスルー大学学長。著書に、『「0から1」の発想術』『低欲望社会「大志なき時代」の新・国富論』(共に小学館)、『日本の論点』シリーズ(小社刊)など多数ある。
「ボーダレス経済学と地域国家論」提唱者。マッキンゼー時代にはウォール・ストリート・ジャーナル紙のコントリビューティング・エディターとして、また、ハーバード・ビジネスレビュー誌では経済のボーダレス化に伴う企業の国際化の 問題、都市の発展を中心として拡がっていく新しい地域国家の概念などについて継続的に論文を発表していた。この功績により1987年にイタリア大統領よりピオマンズ賞を、95年にはアメリカのノートルダム大学で名誉法学博士号を授与された。英国エコノミスト誌の93年グールー特集では世界のグールー17人の一人に、また94年の特集では5人の中の一人として選ばれている。2005年の「Thinkers50」でも、アジア人として唯一、トップに名を連ねている。
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はじめに
第一章 「新しい消費者」
ネットを味方にできないビジネスは消滅する――大前研一
- 一七〇〇兆円の個人金融資産の使い道
- 「低欲望社会」日本の問題点
- もはや、マクロ経済理論は機能しない
- 中国人の爆買いは「モノからコト」へシフト
- インバウンドとアウトバウンドの越境EC
- 拡大し続けるスマートフォン経済
- クックパッドとアットコスメ
- 急拡大中のシェアリングエコノミー
- メルカリは、まさにアイドルエコノミー
- エアークローゼットサービスのビジネスモデル
- 日本のB2C EC市場は、世界第四位
- アマゾンとZOZOTOWN
- 九万人の現地バイヤーがいるBUYMA
- 爆発的に成長する中国の越境EC
- Tモールの売上は一日で二兆円
- 訪日外国人旅行者は、東アジア諸国が突出
- コト消費で成功した、北海道のニセコ
- 妄想や欲望をかきたてる高級品は需要が高い
- 消費者は二極化の方向へ
- ヤンジーというニューシニア層
- 今後、時代はデジタルに向かう
- 【質疑応答】
第二章 二七期連続増収増益ヤオコーの経営
――川野幸夫
- 二七期連続増収増益の食品スーパーマーケット
- 小売業が頑張らないとお客さまの生活が豊かにならない
- 「理念」や「経営哲学」が大切
- アドマイヤード・カンパニーを目指す
- 「一人十色」時代における小売業のあり方
- 「商いのコンセプト」と「業態の確立」を明確化
- コモディティ商品とライフスタイル商品
- ライフスタイルアソートメント型スーパーマーケット
- 「個店経営」に徹するということ
- 全員参加の商売
- 日本一元気なスーパーマーケット企業
- 米フォーチュンベスト一〇に入るスーパーマーケットのすごさ
- グローバルに活躍する人材を育成する
- 【質疑応答】
第三章 無印良品の大戦略は、「役に立つ」ということ
――金井政明
- 堤氏の号令から始まった「無印良品」
- 目指しているのは、「役に立つ」こと
- 周りの人のこと、生産者のこと、地球のことを考えながら生きる
- 「これがいい」ではなく「これでいい」という価値観
- 目指すのは相対価値ではなく絶対価値
- キャンプ場、住宅、団地再生、空港ターミナルまでも手がける
- 「働く」を「楽しい」に変えていく
- 主役は、無印良品の思想を具現化する現場であり社員
- 【質疑応答】
第四章 ABEJAのAIが変える小売流通業
――岡田陽介
- 目指すのは日本のイノベーション・エコシステムの構築
- 第四次産業革命がまさに進行中
- IoT、ビッグデータ、AIがキーテクノロジー
- デバイスとデータ保存の低価格化で起こっている大変化
- 第三次AIブームの主役は「ディープラーニング」
- マシンラーニングとディープラーニングの関係
- 従来手法の限界から誕生したディープラーニング
- 非常によく当たるあみだくじのようなものをつくっていく
- ブラックボックスがディープラーニングの特徴
- 日本で生まれたディープラーニングの基礎
- 人間の認識精度を上回ったディープラーニング
- 宝の山であるディープラーニングの技術
- 囲碁の世界チャンピオンにも勝った「AlphaGo」
- 画像認識から言語の意味理解まで
- ディープラーニングを小売流通業に特化させた理由
- エッジとクラウドのメリットをうまく使いこなす
- 他社と進めるエコシステム
- 圧倒的に不足しているエンジニア
- 小売りの概念を変える「Amazon Go」
- 画像に関するデータの分析は、最も得意な分野
- まったく新しいエクスペリエンスをつくる
- パートナーと一緒に、オープンイノベーションを推進
- 【質疑応答】
第五章 インバウンドビジネス最前線
――須田健太郎
- 観光業ののびしろがずいぶんある日本
- 四一〇〇万人の観光客が訪日すれば、七兆円稼げる
- 外国人観光客増加のカギを握っている中国
- この地球に爪痕ぐらいは残したい
- 大阪からいきなりグローバル企業を目指す
- 創立六年目で二四万泊分の外国人観光客を取り扱う
- 主要事業は、訪日旅行、インバウンドマーケティング、地方創生
- インバウンド向け飲食店即時予約システム
- インバウンドに適したホテル事業にも進出
- 航空機事業にも進出を予定
- 利幅が少ないコト消費
- 【質疑応答】