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海の歴史

海の歴史

ジャック・アタリ氏が放つ「海の歴史」。ではなぜ、アタリ氏は海について執筆したのでしょうか。アタリ氏は、同書のイントロダクションでその理由を以下のように述べています。
「海には、富と未来のすべてが凝縮されている。海を破壊し始めた人類は、海によって滅ぼされるだろう。われわれは海を熟考しなければならない。だが、海が真剣に顧みられることはほとんどない。(中略)人類史上の重要な出来事の舞台は常に海なのである」
歴史、政治、文学、経済、文化、産業、軍事、テクノロジーなど、海は、人類に欠かせないあらゆるものを生み出してきたとアタリ氏はいいます。
海を知ることは、壮大な人類史を知ることでもあるのです。
「時空を超える壮大な世界観の歴史書」を堪能ください。

四六 判( 400 頁)
ISBN: 9784833422970

2018年09月28日発売 / 2,484円(税込)

ジャック・アタリ(Jacques Attali)

1943年アルジェリア生まれ。フランス国立行政学院(ENA)卒業、81年フランソワ・ミッテラン大統領顧問、91年欧州復興開発銀行の初代総裁などの、要職を歴任。政治・経済・文化に精通することから、ソ連の崩壊、金融危機の勃発やテロの脅威などを予測し、2016年の米大統領選挙におけるトランプの勝利など的中させた。林昌宏氏の翻訳で、『2030年ジャック・アタリの未来予測』(小社刊)、『新世界秩序』『21世紀の歴史』、『金融危機後の世界』、『国家債務危機─ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか?』、『危機とサバイバルー21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉』(いずれも作品社)、『アタリの文明論講義:未来は予測できるか』(筑摩書房)など、著書が多数ある。

[翻訳者]林昌宏(はやし・まさひろ)

1965年名古屋市生まれ。翻訳家。立命館大学経済学部卒業。訳書にジャック・アタリ『2030年ジャック・アタリの未来予測』(小社刊)、『21世紀の歴史』、ダニエル・コーエン『経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える』、ボリス・シリュルニク『憎むのでもなく、許すのでもなく』他多数。

目次

イントロダクション

第一章 宇宙、水、生命(一三〇億年前~七億年前)

宇宙と水の誕生/太陽系の誕生と惑星にできた水/地球の水/海の形成と生命によるプラスの循環の始まり/多細胞生物と超大陸

第二章 水と大陸:海綿動物から人類へ(七億年前から八万五〇〇〇年前まで)

海中における生命の複合化/生命は陸地に進出する/最初の哺乳類と海との別離/海の安定化と霊長類の登場/海を渡り始めた霊長類/直立歩行とメキシコ湾流/最初のヒト:ホモ・エレクトス~海を渡る

第三章 人類は海へと旅立つ(六万年前から紀元前一年)

太平洋/ペルシア湾と地中海/「海の民」:フェニキア人と小アジアのギリシア人/カルタゴ人、ギリシア人、ペルシア人は、地中海をめぐっていがみ合う/地中海をめぐり、ローマとカルタゴが対立する

第四章 櫂と帆で海を制覇(一世紀から一八世紀まで)

海から遠ざかった中国/海を目指す中国/砂漠から登場したこれまでにない海洋型の王朝/明も海を拒絶する/ローマの地中海支配の崩壊/イスラームによる地中海東部の復活/イスラームと東ローマ帝国に対抗する二つの海洋勢力の出現:ヴェネチアとジェノヴァ/十字軍と海洋勢力:ヴェネチアの勝利/ヴェネチアの強力なライバルになったジェノヴァ/内陸帝国ではペストが大流行/フランドルの権力の源泉:バルト海と大西洋/ヨーロッパ最初の中心都市、ブリュージュ/ヴェネチアが商業の中心地になる/フランス初の挑戦:海が舞台の百年戦争/アントワープ〔アントウェルペン〕:第三の中心都市と北海の支配/一四八八年から一四九八年:世界の勢力図が決まる一〇年/フランスは海洋大国になる二度目の機会を逸する/ジェノヴァの脱落、レパントの海戦、ヴェネチアの終焉/オランダの飛躍と『自由海論』/海路で中国にたどり着いたヨーロッパ人たち/フランスは海洋大国になる三度目と四度目の機会を逸する/アメリカ大陸への移動:移民と奴隷/イギリスの台頭/フランスの五回目の挑戦も失敗に終わる:一七六三年の大失策/海戦で勝敗が決まったアメリカ独立戦争:フランスの六度目の機会

第五章 石炭と石油をめぐる海の支配(一八〇〇年から一九四五年)

フランスのアイデアだった蒸気機関/海が舞台のフランス革命/海を支配できず、ナポレオン帝国は迷走する/イギリスの支配:大西洋では、蒸気船が帆船に取って代わる/帆に代わる蒸気機関とスクリュー/蒸気船による最初の海戦:第一次アヘン戦争/アメリカへの移住/フランスが海洋大国になる七回目の機会/蒸気機関の戦艦による二回目と三回目の海戦:クリミア戦争と第二次アヘン戦争/南北戦争と潜水艦の登場/フランスの儚い夢、最初の大運河/新たなイノベーション、二つめの運河/海上の植民地という野望/戦争勃発の恐れがあるのは海上/航空母艦の登場、大きな海難事故/第一次世界大戦:塹壕戦よりも海戦/和平条約、経済危機、海/太平洋に始まり、太平洋で終わる第二次世界大戦

第六章 コンテナによる船舶のグローバリゼーション(一九四五年から二〇一七年)

海の需要はきわめて大きい/コンテナ革命/コンテナの普及/ますます栄える海上貿易/太平洋沿岸の港の繁栄/造船業もアジアの時代/海で働くのはアジア人/アメリカが支配するデータ通信:海底ケーブルは現在も主力手段/海で操業する産業/フランスの八度目の試み/違法な貿易:安易な流通/貿易に対する二つの障害:海賊とテロは対応可能/海は誰のものなのか

第七章 今日の漁業

海の現在の生物群/どんな魚が漁業の対象になるのか/漁獲方法/漁業資源の枯渇/養殖/漁業経済

第八章 自由というイデオロギーの源泉としての海

自由を追求する学習の場としての海/起業家精神の源としての海/逃亡経路としての海/英雄と自由を想起させる海/自由を想起させる映画の海/自由の象徴としての海でのレース/自由の代用としての海のレジャー

第九章 近い将来:海の経済

貨物輸送と海洋経済の将来/新たな航路/未来の海で活躍する大企業/海上輸送に新たなテクノロジー/データ通信は海上輸送に取って代わるのか/開発可能になる海底資源/海を経済的に支配するのはどの国か/フランスに九度目の機会は訪れるのか/海なしでも成功できないのか

第十章 将来:海の地政学

冷戦の海洋地政学/第三次世界大戦の引き金になりうる海上での小競り合い/将来的に重要になる水域にくすぶる火種/紛争が勃発する恐れのある海峡/北極をめぐる領有権争い/狙われる海底ケーブル/海戦という脅威/

第十一章 未来:海は死ぬのか?

不足する飲料水/枯渇が予想される海砂/海に宿る生命の枯渇/沿岸部に集中する人口/人類の活動によって堆積するゴミ/二酸化炭素の排出による地球温暖化と海の酸性化/地球温暖化により上昇する海面水位/人口の移動/すでに始まった新たな大量絶滅/人類の絶滅後、海はどうなる

第十二章 海を救え

各自がなすべきこと/メディアがなすべきこと/企業がなすべきこと/各国政府がなすべきこと/国際社会がなすべきこと/実際の権限をもつ世界海洋機関(WOO)の創設

結論

謝辞

翻訳者あとがき