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「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

現在の日本の子育てで、一見、当たり前のように行われていることに、違和感を感じる方も少なくないのではないでしょうか。
たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」……。
実際、「パート代は全て子どもの習い事に」、「塾代が高くて……」など、ため息交じりの声が周囲からは聞こえてきます。子育てや子どもの教育にはお金がかかり、削ることはためらわれがち。子どもの教育費が、家計の聖域といわれるゆえんです。

今は、「塾にいっておけばなんとかなる」的な考え方が根底にあり、自分たちでやってみようと考えるご家庭は少数派です。
しかし、「塾」が、子どもの教育において当たり前の選択肢になっていることに、疑問を抱かざるを得ません。やり方を知れば必要な勉強を自分できちんとできる子は、実は相当数いるのではないかと思うのです。

塾にいっているだけで安心。

この状況も受験生にとって、実は見せかけの安心である場合があるかもしれません。
受験について知っておかねばならない情報がある以上、必要な情報を提供し、丁寧に進路指導をしてくれる塾の存在は心強いでしょう。
しかし、一昔前とは違い、今のネット社会では、受験情報が入手しやすくなりました。
「知ろう、探そう」とすれば情報は手に入ります。「必要な情報は何なのか」を的確に知る・理解する力があれば、自分たちでできることも多いはずなのです。
2020年春、長男は、東京都立国立高校に合格しました。
都立国立高校は、国高(くにこう)と呼ばれる東京の都立御三家の一校です。
参考までに、国立高校の2020年度の現役東大合格は15人、京大6人、一橋大18人、東工大11人で、国立難関九大学(東大・京大・一橋・東工大・北大・東北大・名大・阪大・九州大)の現役合格者は66人と、都内でトップレベルの都立高校です。(※国立高校ウェブサイト参照)

息子は、自宅から徒歩15分の地元の公立中学校に通っていました。
学校の野球部に所属して、3年の夏まで、部活も頑張っていました。
「うちは、塾に通っていません」
周囲にこの話をすると、決まってとても驚かれました。
学校の先生も驚き、感心していました。
それほど今や、高校受験をする中学生は塾にいくのが当たり前なのです。
息子のように自宅学習で受験に挑む子はとても珍しいでしょう。
息子は決して、勉強しなくても成績がよかったわけではありません。

息子の経験を通してわかったことがあります。
成績を上げるために大切なことは、自宅で勉強習慣をつけ、自分で目的や効率を考えて勉強すること。
そして、「塾にいかずとも自宅学習で成績は上げられる! 」ということです。
具体的にどんな受験勉強をしていたのか、少し気になりませんか?
知りたいと思っていただけたなら、もう「塾なし受験」への一歩を踏み出したのかもしれません。

塾なし受験に必要なモノは、
1 親のサポート
2 親 子のコミュニケーション
3 家族の協力
4 学校との連携
です。

主役は子どもで、親はサポーターです。
親子でコミュニケーションを密にとりながら、計画を立て、作戦を考え実行します。
途中で話し合い、計画や作戦を見直し、また実行していきますこれを繰り返しながら、「志望校合格」というゴールを目指します。
中学校の学習をもとにした一般的な高校受験なら、自力で合格することが不可能というわけではないのです。

小学校の卒業を境に、中学生の勉強は「塾任せ」が主流になっています。
しかし、我が子の教育に、ある日突然、線引きをする必要はありません。
大切なことは、「塾任せにしない」こと。
家庭での自宅学習を続けることで、子どもの力はメキメキと伸びていくでしょう。

私たち夫婦は、もし通塾して塾主体で受験が進むならば、それは息子の成長や将来を他人に任せてしまうことのように感じました。
塾にとって、あなたのお子さんは生徒の一人にすぎませんが、あなたにとってはたった一人の存在。
唯一の存在の未来につながる受験について、どちらが心底考えられる状況か、一目瞭然なのです。
そのためには、自分たちで受験に向かう「方法」を知る必要があります。
そして、この本には、塾なし高校受験のノウハウが詰まっています。

受験生のいるご家庭はもちろん、子育て中の多くのお父さん・お母さんに、「塾なし」受験生の親として過ごした一年間をお伝えすることによって、塾や受験、子どもの教育について考えるきっかけになれば幸いです。

「塾は当然行くもの」という考えを疑い、受験生のいるご家庭のひと組でも多くが、親子で「塾なし受験」にチャレンジしていただければうれしく思います。

四六 判( 368 頁)
ISBN: 9784833424431

2021年12月21日発売 / 1,650円(税込)

[著]塚松 美穂(つかまつ・みほ)
上智大学文学部仏文学科卒業。IT・通信会社でwebデザイン、コンテンツ制作、新規事業立ち上げなどに携わる。その後結婚し、主婦を経て、webメディアや業界紙などで記事を執筆するかたわら、子どもが通う公立小・中学校でPTA副会長を務めた。高校2年生の長男、小学6年生の長女、2児の母(2021年12月現在)。現在は、学校評議員・学習支援コーディネーターとして公教育の支援も行う。長男の高校受験に、通塾費を1円もかけない「塾なし受験」によって偏差値71の超難関の都立国立高校への合格をサポート。「塾なし受験は、『自分の頭で考え、自ら選び取って、目標に向かって努力できる子』を育て、子どもたちが幸せな人生を送れるように導いていく、ひとつの教育法なのではないか」との思いから、本書を書き上げた。「塾なし受験研究所」創設。

目次はこちら(クリックで開きます)

目次

序章 ◆ 家計の聖域・塾代のリアルと塾の存在理由

[導入編]

第1章 ◆ 「塾なし受験」で得られる三つの大きなメリット

第2章 ◆ 「塾なし受験」のための親の心構え

[基礎知識編]

第3章 ◆ 高校受験の基礎知識

[実践編]

第4章 ◆ 「塾なし受験」の進め方

第5章 ◆ 「塾なし受験」の教材・使い方

第6章 ◆ 「塾なし受験」のための「模試」活用法

第7章 ◆ 「塾なし受験」ラストスパート、入試直前から合格発表まで