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野心 郭台銘伝

野心 郭台銘伝

シャープを買収した台湾企業・鴻海の創業者、郭台銘とは何者か

四六 判( 320 頁)
ISBN: 9784833451048

2016年09月30日発売 / 1,760円(税込)

[著] 安田峰俊(やすだ・みねとし)

1982年滋賀県生まれ。ルポライター、多摩大学経営情報学部非常勤講師。立命館大学文学部(東洋史学専攻)卒業後、広島大学大学院文学研究科修士課程修了。在学中、中国広東省の深セン大学に交換留学。一般企業勤務を経た後、著述業に。アジア、特に中華圏の社会・政治・文化事情について、雑誌記事や書籍の執筆を行っている。著書に『和僑』『境界の民』(角川書店)、『「暗黒・中国」からの脱出』(文春新書)の編訳など。

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目次

はじめに―乗っ取られたシャープ

「Not!」と吐き捨てた
タフな質問だな
底知れぬ男の正体

第1章 シャープ買収にこだわった鴻海の懐事情

狙われた「台湾で最も幸福な会社」
「うまい話」の洪水
シャープの未来を暗示
買収ラッシュの超巨大企業・鴻海
鴻海の驚異の成長
黒子に徹するビジネスモデル
異常な機動性とコストカット
巨大な売上高、低い収益性
M&Aによる拡大
EMS以外の成功経験が乏しい
郭台銘がシャープを切り捨てる日

第2章 自殺者続出、フォックスコン工場の実態

立ちっぱなしの12時間労働
フォックスコンは地獄か
警備員の手は震えていた
友人や親戚には勤務を勧めない
アリやミツバチのような従業員
鴻海で「幸せ」になれる人間
13人連続自殺(未遂)事件の衝撃
私自身にもカウンセラーが必要だ
死にそうなヤツは解雇すればいい
企業という名の独裁国家

第3章 鴻海は中国企業なのか

不気味な中華系企業・鴻海
中国と台湾
密接なコネと恩恵
地方政府を恫喝する強者
社内に中国共産党委員会がある理由
「赤い台湾企業」は存在する
先端技術の流出はあるか

第4章 郭台銘の原点、貧困の時代

郭台銘のルーツとは
矛盾に満ちた個性
父の故郷・中国山西省への思い
郭一族の系譜
抗日宣伝活動をおこなった父
「敗残者」の子に生まれて
「貧困」の暮らし
「ゴロツキ学校」への入学
金欠ポンコツ町工場・鴻海
家にお金を入れてください!
空気を読まない振る舞い
のたうち回る零細企業

第5章 倒産寸前から急成長の謎

荒んだハイテク企業の城下町
カオスに満ちた組織構造
30歳の大阪物語
一流の顧客を持て
拘置所の近くに本社を置けば安心だ
日本の技術を吸収せよ
アメリカへの傾倒とフロンティア・中国
リスクを恐れぬ投資の連続
「 一切を呑み込む」という社名

第6章 巨大企業の「皇帝」の懊悩

台湾一の大富豪の金使い
慎ましさという奇行
巨大企業に変貌、表に現れた忍者
強烈な人たらし術
自己認識とのギャップ
カネで幸福は買えない
仕事の奴隷と化す皇帝
私は涙をこぼさない

第7章 信仰への熱中、強烈な家族愛

豹変する郭台銘
8000万円で美女とタンゴ
前妻の命日
私は自分が憎い
普通のおっさん、郭台銘
武神・関羽への崇拝
「カネのにおいが感じられない」新妻
結婚が変えたもの
郭台銘の信仰とシャープ

第8章 シャープへの求愛

日本に広がる言い知れぬ不安感
シャープなんか「丸ごと買うぞ!」
郭台銘を苛立たせるサラリーマン経営者たち
シャープ「に」騙された
帰ってきた郭台銘
誓約書は提出しない
油断のならない交渉者
際どい「郭台銘語法」
「えげつない」条件の提示
キツネとタヌキの化かし合い

おわりに

主要参考文献