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介護危機

介護危機
「数字」と「現場」の処方箋

寿命100年時代の正しい過ごし方は、自宅と施設、どっち?
介護現場の第一線にいるからわかる、著者のデータが決着をつける!

四六 判( 240 頁)
ISBN: 9784833451185

2017年06月15日発売 / 1,540円(税込)

[著]宮本剛宏(みやもと・たけひろ)
1979年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校卒業。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、日清紡、ITコンサルティング会社を経て、2008年に株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ設立。非常勤が主流の訪問介護事業において、正社員中心の事業運営を首都圏にて展開。
介護人材への投資と業務効率化によって成長を継続中。2017年4月現在で社員数は約900人。訪問介護51事業所、デイサービス3事業所、居宅介護支援8事業所、サービス付き高齢者向け住宅2棟を運営。
ケアリッツ・アンド・パートナーズ公式HP:https://www.careritz.co.jp/

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目次

序章 はじめに

第1章 介護の現場で起きていること― 介護職の声と顧客データから何がわかるか ―

変わる介護のかたち

(1)「介護保険制度」とは何か
「措置制度」から「契約制度」へ /行政主導による高齢者福祉の限界とは
(2)介護保険制度のしくみ
介護保険サービスを利用するには/地方行政の役割とは ― 市町村に課せられた介護保険事業の重責
(3)成長する介護市場の今
介護の市場はどれだけ成長したか /民間に開放された介護サービス
老人ホームと在宅介護

(1)施設サービス
介護保険施設の概要/なぜ特別養護老人ホームの人気が高いのか
(2)居宅サービス
居宅サービスに位置付けられる有料老人ホーム /種別が豊富な「在宅系サービス」
(3)地域密着型サービス
市町村が指定・運営を行う地域密着型サービス
トラブル続発 ― 介護の大問題

(1)介護ビジネスの問題点
相次ぐ介護事業所の閉鎖/横行する事業所の不正請求/グレーゾーンサービスの危険性/法改正で増える事務コスト
(2)突然はじまる介護の衝撃
想定外の介護スタートで間に合わない準備/認知症対応で混乱する家族/
暴走するクレーマー、要介護者と家族への啓蒙/高齢者の経済格差 ― 生活保護世帯と自費負担100万円世帯
(3)介護で働く人の質的問題
まさかヘルパーが! 犯罪者となる介護職/介護職の転職回数が多い理由

第2章 なぜ、介護職12万人、財源1・5兆円が不足するのか

人材不足 ― 誰が足りないのか

(1)介護人材不足の構造
介護業界に足りない3種類の人材とは
(2)「現場の担い手」の不足
介護現場の問題点を1 0 0人にインタビュー/介護職が不足している本当の理由
(3)管理者クラスの不足
介護業界の管理職とは/管理職が不足する業界構造
(4)経営者の不足
戦略をもたない介護事業の経営者/介護ベンチャーのほとんどが周辺事業
(5)介護人材獲得における誤解
やりがいだけでは人は集まらない/介護職が人を遠ざける本当の原因
財源不足 ― どうなる介護保険財政

(1)介護保険の歳入
財政赤字は1・5兆円/介護保険の財源構成/急増していく保険料
(2)介護保険の歳出
増え続ける介護給付費
(3)介護保険財源は維持できるのか
保険者の介護保険特別会計とは/介護保険による市町村財政のリスク

第3章 毎年5割成長する介護企業の秘密

人材の秘密

(1)介護事業の人材戦略
ホームヘルパーの8割が非正規介護職/正社員介護職の強みとは/社員を大切にするとはどういうことか
(2)人材の獲得
採用に投資する/「人を動かす人材」を採用する
(3)人材を育成する
人材育成には明確なキャリアパスが必要/社員が成長する教育システムを
経営の秘密

(1)介護事業の経営戦略
経営者は現場に出て業務に精通すること/介護事業の価格戦略(Price)/
価格差別化ができない中でのサービスレベル向上(Product)/
サービス水準の比較が難しい中での営業戦略(Promotion)/
営業戦略を最大限に生かす店舗展開とは(Place)
(2)組織運営
効率性の追求と介護保険の健全性/書類整備の重要性
(3)ITシステム
IT戦略は競争優位の源泉/請求業務の効率化/ずさんな情報管理は経営における大きなリスク

第4章 こうすれば介護の人材・財政不足を解消できる

人材不足への処方箋

(1)国の人材獲得政策を検証する
国の介護人材獲得戦略とは/厚生労働省の人材獲得政策は成功するか/人材獲得戦略の第3の柱
(2)行政が本当に取り組むべきことは何か
労働市場で機能する介護事業者公表制度とは/未来の介護職をつくるには/参入障壁を高くする
財源不足を解消する戦略

(1)国の財政政策を検証する
長期入院患者を地域へ戻すために/施設介護から在宅介護へ/地域包括ケアシステムとは何か
(2)民間が取り組むべきこと
在宅サービスを拡充する/要支援者への支援をどうすべきか
(3)行政が取り組むべきこと
これまでの介護報酬引き下げによる効果/介護事業所の不正受給を防ぐには/介護保険の負担について見直す/
特別養護老人ホームの収益に課税する

第5章 それぞれの「希望」をかなえるビジネスモデル

介護問題を解決する新規ビジネス

(1)高齢者向け引っ越しサービス
「介護をどこで受けるのか」がもっとも大きな選択 /保証と見守りサービスで高齢者の住み替えを支援する
(2)介護離職防止支援サービス
介護離職を防ぐための福利厚生サービス・個人向けサービス/介護の「不確実性」をどのように捉えるか
(3)介護事業の経営研究
実践知から経営力を涵養する

終章 むすび